バイオグラフィー
1951年5月3日ナポリ生まれ。1966年カンツォニッシマで「慕情(伊題はL'amore
è una cosa meravigliosa)」でデビュー。1968・69年とサンレモに連続入賞、特に1969年の「Quando
l'amore diventa poesia(愛の詩)」は当時カンツォーネ・ブームだった日本でもヒットしました。1969年「Rose
rosse(紅バラを君に)」でカンタジーロ優勝、1970年「Vent'anni(はたちの青春)」、1972年「Erba
di casa mia(若草の朝)」でカンツォニッシマ優勝と次々に成功を収めました。
1970年マウロ・ボロニーニ監督の映画「わが青春のフローレンス(Metello)」に主演し、以後俳優として数々の映画に出演しています。1970年代後半以降は歌手活動を停止していましたが、1988年サンレモ音楽祭にカムバックし、「Perdere
l'amore(愛を失って)」で見事優勝しました。
以後コンスタントにアルバムを発表、ミュージカルの主演など幅広く活躍しています。
アルバム紹介
Massimo Ranieri 「Canto perché non so nuotare...da40 anni」(2DVD)(2008)
初の映像作品で、2006年に発売された下記のデビュー40周年記念アルバムを引っ下げて行ったコンサート・ツアーの模様を収録したDVD1と、インタビューに過去の映像を交えたDVD2からなる2枚組作品です。
DVD1は観光地としても世界的に有名な、シチリア島Agrigento(アグリジェント)の野外特設ステージでのコンサートで、バンド、オーケストラ、ダンサーは何と全員女性! 俳優としても活躍する彼ならではの踊りあり、パフォーマンスありの華やかなステージで、「コンサート「というよりは、「ショー「です。遠くに望むライトアップされた古代神殿も印象的です。
ゲストとして、Mauro Pagani(マウロ・パガーニ)とアフリカ人のBadara' Seckが16で登場するほか、タップ・ダンサーの少年Emanuele
D'Angelo(エマヌエーレ・ダンジェロ)も華を添えています。
なお、別会場でのコンサートでは下記のアルバムにゲストとして参加しているSilvia Mezzanotte(シルヴィア・メッツァノッテ)らが登場しているようですが、本作には出ていません。
額の皺に時代の流れを感じずにはいられませんが、アルマーニの衣装を汗でぐっしょりにして踊り、熱唱する彼の姿には心を打たれるものがあり、会場を埋め尽くしたファンには素晴らしいプレゼントとなったことでしょう。エンディングの21ではステージ最前部を目指して「元「ragazzeが集結。それでも混乱なく、皆コンサートを楽しんでいるのが印象的でした。
DVD2は、インタビューにサンレモやカンツォニッシマ等の映像を交えたもので、曲によっては完全に収録されていなかったり、口パクだったりしますが、貴重な映像が多数収録されており、必見です。Loretta
Goggi(ロレッダ・ゴッジ)などもチラッと映ります。
DVD1
1. Mi troverai 2. Se bruciasse la città 3. La voce del Silenzio 4.
Prendi fra le mani la testa 5. Ti penso 6. Luna Rossa 7. Se stasera sono
qui 8. Ti parlero d'amore 9. La vestaglia 10. Erba di casa mia 11. Alta
marea 12. L'Istrione 13. La Banda 14. Tip Tap di Emanuele D'Angelo 15.
La Cura 16. La rumba degli Scugnizzi 17. Almeno tu nell'universo 18. Tip
Tap di Massimo e Emanuele 19. Vent'anni 20. Rose Rosse 21. Perdere l'amore 22.
Vita Spericolata
DVD2
Interviste
Video Bonus
1.Quando l'amore diventa poesia 2.Pietà per chi ti ama 3.Via del
conservatorio 4.Se bruciasse la città 5.Rose rosse 6.Vent'anni 7.Erba
di casa mia 8.Perdere l'amore 9.La rumba degli Scugnizzi 10.Perdere l'amore
(Edel 0186978ERE)
Massimo Ranieri 「Canto perché non so nuotare...da40 anni」(2006)
デビュー40周年記念2枚組アルバムです。
CD1は主に自分のヒット曲の新録音ヴァージョンで、2ではLinda(リンダ)、4はSimona Bencini(シモーナ・ベンチーニ)、7はJenny
B.(ジェニー・B)、12はSilvia Mezzanotte(シルヴィア・メッツァノッテ)と、4人の女性歌手をゲストに迎えています。Jenny
B.をゲストに迎えた7は「?」という感じがしないでもありませんが、1988年のサンレモでカムバックした時に歌った名曲12はSilvia Mezzanotteが華やかさを加え、スケールの大きな作品が蘇っています。
CD2は他人のヒット曲のカヴァー集で、Gino Paoli(ジーノ・パオーリ)の初期の作品でMina(ミーナ)も歌ってヒットした1、Mia Martini(ミア・マルティーニ)が歌い近年もElisa(エリーザ)のカヴァーによりスタンダードとなっている3、Luigi Tenco(ルイジ・テンコ)の遺作となった5、Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)のサンレモ出場曲6、Sergio Endrigo(セルジォ・エンドリゴ)の7、Umberto Bindi(ウンベルト・ビンディ)の曲でOrnella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)がヒットさせた14など、イタリア人はもとより日本人にもおなじみの曲ばかり。さらに、Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)の10、Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッスィ)の14など、現代イタリアを代表するカンタウトーレの曲にも挑戦し、新境地を開いています。
アレンジはMaurizio Fabrizio(マウリツィオ・ファブリツィオ)が担当していますので、セルフ・カヴァー部分も単なる焼き直しではなく、手が込んでいます。
なお、CD2の12と13がクレジット表記と逆になっています。
CD 1
1. 20 anni 2. Se bruciasse la città 3. Mi troverai 4. Ti penso 5.
T parlerò d'amore 6. La vestaglia 7. La voce del silenzio 8. Rose
rosse 9. La bellezza della vita 10.Erba di casa mia 11.Purissima Lucia 12.Perdere
l'amore
CD2
1. Il cielo in una stanza 2. L'istrione 3. Almeno tu nell'universo 4. La
cura 5. Se stasera sono qui 6. Un'avventura 7. Io che amo solo te 8. Prendi
fra le mani la testa 9. Vita spericolata 10.Alta marea 11.La banda 12.Pensieri
e parole 13.I venti del cuore 14.La musica e finità
(Edel 0177822ERE)
Massimo Ranieri 「Nun è acqua」(2003)
2001年に発売された「Oggi o dimane」の続編ともいうべきナポレターナ作品集で、プロデュースは同様にマウロ・パガーニが担当しています。パガーニは2003年に久々にソロ・アルバムの発売も予定していて、大活躍ですね。収録曲は2.「低い窓」、3.「ルナ・ロッサ」、4.「あなちにくちづけを」、6.「悪い女」、13.「プジレコの漁夫」などお馴染みの曲が多数含まれています。前作と同様、民族楽器とラニエーリの歌唱力との融合を味わうことができます。また、何故か6.では「Amapola」のフレーズが挿入されています。
1.'E ccerase 2.Fenesta vascia 3.Luna rossa 4.I' te vurria vasa!... 5.Io mammeta e tu 6.Malafemmena 7.Giacca rossa 8.La palummella 9.Scetate 10. 'O ccafe 11.'A casciaforte 12.Agata 13.Piscatore 'e pusilleco 14. 'Na mmasciata
(S4 510539 2)
Massimo Ranieri 「Oggi o dimane」 (2001)
ナポレターナの歴史に残る名曲ばかりを集めたアルバムです。(日本ではあまり知られていない曲も何曲かありますが…。)
そして何と言っても注目すべき点は、プロデュースがマウロ・パガーニということ。パガーニとマウロ・ディ・ドメニコによるアレンジは彼ら自身が奏でるブズーキやヴァイオリンをふんだんに採り入れた民族音楽的なもので、ラニエーリのヴォーカルもいつものように派手に歌い上げずにアレンジに合った歌い方をしています。9.「'O surdato 'nnammurato(恋する兵士)」なども、通常は手拍子が起こるような曲なのですが、今回はヴァイオリンをバックにゆっくりと歌っています。今までポップスがお好きで、ナポレターナは聴いていらっしゃらないという方にもオススメしたいアルバムです。
1.Nuttata 'e sentimento 2.'E spingule francese 3.Napulitanata 4.Marechiare 5.Scalinatella 6.Caravan petrol 7.Rundinella 8.Maruzzella 9.'O surdato 'nnammurato 10.Voce 'e notte 11.'A rumba d''e scugnizzi 12.Guapparia 13.'O marenariello 14.Suonne
suonnate 15.Reginella 16.'O guarracino
(Sony Music 501998 2)
Massimo Ranieri 「Canzoni in corso」 (1997)
1997年サンレモ音楽祭入賞曲1.「Ti parlerò d'amore」と11.「Mi troverai」の2曲の新曲と他の歌手が歌った曲のカヴァーからなるアルバムです。プロデュースは新曲の作曲を手がけたカンタウトーレのジァンニ・トーニ。カヴァーの方はピーノ・ダニエーレの2.「Quando」、フィオレッラ・マンノイアの5.「I venti del cuore」、ミケーレ・ザリッロの9.「Gli assolati vetri」、ラフの10.「Il canto」などとてもマニアックな(?)選曲です。ジァンニ・トーニにも敬意を表してか、彼の「Se
me andrò(se te andrai via da me)」というとても切ない感じのするバラードもカヴァーしています。
1.Ti Parlerò d'amore 2.Quando 3.Spaccacuore 4.Se me ne andrò
(se te ne andrai via da me) 5.I venti del cuore 6.Le storie d'amore 7.Attimi
8.Abita in te 9.Gli assolati vetri 10.Il canto 11.Mi troverai
(RTI 11392)
Massimo Ranieri 「Ti penso」(1992)
1992年サンレモ入賞曲「Ti penso」をタイトルとしたアルバムです。ルーチォ・ファブリとヴィットリオ・コスマがプロデュース・アレンジを担当しています。タイトル曲はサンレモ向けに歌い上げるタイプのオーソドックスな曲ですが、他の曲なかなか渋い曲が多く、特に私が最もおすすめする曲はエンディング9.の「Niente
è perduto」。この歌の作曲はフランコ・ファザーノです。イタリアン・ポップスに詳しい方ならご存知だと思いますが、彼は89年のサンレモ音楽祭ワールド・ツアーのメンバーとして来日もしているカンタウトーレです。アルバム「Tempo
al tempo」で彼自身も歌っています。
1.Ti Penso 2.Cuore 3.E adesso inizia 4.La notte 5.Se ti manca una donna
6.Io non ci capisco più niente 7.Il tempo delle favole 8.Vento vento
9.Niente è perduto
(Wea 903177100-2)
Massimo Ranieri 「Perdere l'amore」(1988)
1988年上記のようにサンレモで優勝したタイトル曲を収めた作品。彼のような素晴らしい歌手が戻ってきてくれて本当に嬉しい限りです。タイトル曲のほか10曲中6曲を作曲しているのがカンタウトーレのジァンピエロ・アルテジャーニで、彼は以後も数枚のラニエーリのアルバムに参加しています。
1.Il Canto libero del mare 2.L'amore che... 3.Pierina 4.Il tempo va 5.Sui davanzali del tramonto 6.Purissima Lucia 7.Perdere l'amore 8.Acero bianco 9.Dove sta il poeta 10.Villanella ca l'acqua vai
(Wea 242 312-2)
Massimo Ranieri 「Perdere l'amore」(1988)
マッシモ・ラニエーリのベスト盤は何種類か出ていますが、こちらはCGDから発売されている2種類のうちの1枚。「Rose
rosse」をタイトルにした盤は主に1960年の曲が中心ですが、こちらは1970〜73年の曲が集められています。特に6.「Via
del Conservatorio(夢に見た並木道)」や、エンニオ・モリコーネ作曲の8.「Io
e te(わが青春のフローレンス)」、7.「Aranjuez mon amour(恋のアランフェス)」がおすすめです。
1.Vent'anni 2.Candida 3.Fai di me quello che vuoi 4.Il marinaio 5.Non si
può leggere nel cuore 6.Via del conservatorio 7.Aranjuez mon amour
8.Io e te 9.A Lucia 10.Adagio veneziano 11.L'amore è un attimo 12.Che
cosa pazza l'amore 13.Erba di casa mia 14.Chi sarà con te
(CGD 9031 70548-2)
Massimo Ranieri 「'O surdato 'nnammurato」(1972)
ナポレターナの名曲ばかりを歌ったライヴ盤。1.「恋する楽士」、2.「キォーベ」、3.「ママどうして生まれたの?」、4.「レジネッラ」、5.「ガッパーリア」、6.「ナポリ人の涙」、7.「ナポリは行ってしまった」、8.「アンジェラ」、9.「二つの天国」、10.「オ・ソーレ・ミオ」、11.「恋する兵士」と収録曲すべてがおなじみの曲です。エンリコ・ポリートのアレンジ。ギター・ソロはトト・サヴィオ。
1.'O surdato 'nnammurato 2.Chiove 3.Comme facette mammeta? 4.Reginella 5.Guapparia 6.Lacreme napulitane 7.Napule ca se ne va!... 8.Angela 9.Dduie paravise 10.'O sole mio 11.'O zampugnaro 'nnammurato
(CGD 9031 70546-2)