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Raf | ラフ

バイオグラフィー

 1959年9月29日南イタリア、フォッジャ郊外のマルゲリータ・ディ・サヴォイア生まれ。本名Raffaele Riefoli(ラッファエーレ・リエフォリ。音楽院で学んだ後、ロック・バンドを結成、のちフィレンツェに移りニュー・ウェーブ・シーンに活躍の場を得ました。1980年代の初めはロンドンに渡ってライフル・ボーイズというバンドで活動していました。
 その後再びフィレンツェに戻り、ジァンカルロ・ビガッツィのプロデュースのもとに最初のシングル「Self control(セルフ・コントロール)「を発表しました。この曲はローラ・ブラニガンがカヴァーして大ヒットし、ビルボード・チャートの1位となっています。続いて最初のアルバム「Raf「を発表。このアルバムは「Self control「をはじめ全曲英語で歌われており、日本でも「チェンジ・ユア・マインド「の題でLPが発売されました。また、「Change your mind「と「Hard「がシングル・カットされています。
 1987年になり次第にイタリア語の曲も書くようになったラフは、この年のサンレモでジァンニ・モランディウンベルト・トッツィエンリコ・ルッジェーリが歌い優勝した曲「Si può dare di più「を書きます。そして、同年ユーロ・フェスティヴァルにウンベルト・トッツィとデュエットで出場し、初めてイタリア語で「Gente di mare「を歌い、ヨーロッパ中で大ヒットしました。同年はその他英語盤シングル「London town「がヒットしています。
 1988年ソロとして初めてのイタリア語の曲「Inebitabile follia(恋ひとすじ)「でサンレモ音楽祭に出場し、入賞。初のイタリア語盤アルバム「Svegliarsi un anno fa「を発表しました。日本でもCDとして発売されて話題を呼びました。
 翌1989年再びサンレモで「Cosa resterà degli Anni '80「を歌い、同名のアルバムを発売。この年の夏同じアルバムから「Ti pretendo「がヒットし、フェスティヴァル・バールで優勝しました。
 1991年サンレモで「Oggi un Dio non ho「を歌い入賞、アルバム゜「Sogni...è tutto quello che c'è「から「Siamo soli nell'immenso vuoto che c'è「がヒットします。
 以後1993年「Cannibali「、1995年「Manifesto「、1996年「Collezione Temporanea「とアルバムを発売し、いずれもヒットしました。
 1998年のアルバム「La prova「は今まで以上にロック色が濃くなりましたが、その後は落ち着いたポップ・ロック系のアルバムを発表しています。

アルバム紹介

Raf "Metamorfosi"

Raf 「Numerii「 (2011)

 前作が2009年のライヴ盤「Soundview「でしたので、2008年以来3年ぶりのスタジオ録音盤です。
 ジャケット写真には、大阪ミナミの繁華街の写真が使われていますが、合成写真のようで、特に楽曲との深い関連性もなさそうです。
 タイトル曲1.はラップのFrankie Hi-NRGと女性歌手のNathalieをゲストに迎えた異色の楽曲です。2はどことなく懐かしさも感じられるメロディーのバラード。3は軽快なストリングスに導かれるポップな曲で、本作最初のシングル曲として発売されました。5は映画のバックに使われてもよいような、叙情的な雰囲気のバラード。軽快なコンテンポラリー・ロックナンバーの6を挟み、7は再び重厚なピアノに導かれて叙情的に歌うバラードです。8はギターとピアノをバックにしたアコースティックなバラードとなっています。
 一時期のロック寄りのサウンドは影を潜め、落ち着いたバラードを中心として、ところどころ軽快な曲もあり、聴きやすいアルバムだと思います。
1.Numeri (feat. Frankie Hi-NRG e Nathalie) 2.Senza cielo 3.Un'emozione inaspettata 4.Nuovi mondi 5.Oltre di noi 6.Controsenso 7.Un tempo undefinito 8.Vertigine 9.Il mio scenario 10.Mai del tutto 11.Ogni piccola cosa
(COLUMBIA SONY MUSIC 88697907242)


Raf "Metamorfosi"

Raf 「Metamorfosi「 (2008)

 「変身「・「転身「の意のタイトルを持つアルバムは下記の「Passeggeri distratti「以来2年ぶり。タイトルとジャケット・デザインから再びロック路線かと思いきや、そうでもありませんでした。
 1はシングルとして先行発売されたピアノとエレキ・ギターをバックの中心に従えたバラード曲で、語尾に裏声を使う流行りの歌唱が印象的です。2はラップです。タイトル曲3はバラード曲で、アコースティック・ギターと後半のストリングスが哀愁を帯びています。5は最初の低音が特徴的なミディアム・テンポのロック。6もほぼ同傾向の曲ですが、やや単調な印象です。7のバラードを挟んで、8とエンディングの9はミディアム・テンポのロック曲です。最近のポップス・アルバムでは珍しく9曲とコンパクトにまとめられたアルバムですが、今ひとつ印象に残る曲が少ないような気がします。
1.Ossigeno 2.Ballo 3.Metamorfosi 4.Giù le mani dal cuore 5.Nel tuo ritorno 6.Lacrime e fragole 7.Non è mai un errore 8.L'era del gigante 9.Il mondo coi tuoi occhi
(SONY BMG 88697365732)


Raf "Passeggeri distratti"

Raf 「Passeggeri distratti「 (2006)

 本作も前作の「Ouch「や2001年の「Iperbole「の流れを汲む作品で、バラードあり、ラップありと曲に変化があり、収録時間が短いながらも楽しめる内容となっています。
 1はミディアム・テンポでコーラスも入り、ラップのフレーズも入るポップスです。2はシングル・カットされた曲で、後半に盛り上がるオーケストラがトスカーナの平原のような壮大さを感じさせるバラードです。タイトル曲3.は落ち着いた雰囲気のポップスで、伸びのあるメロディーはやはりイタリアらしさを感じさせます。今回もマックス・ガッツェが参加しており、5は曲調からしてそれとわかります。6はラップに始まり、1993年のヒット曲「Il battito animale「を思い出します。7はゆったりとしたメロディーのバラードで、2と同様に叙情を感じさせます。ラストの9は落ち着いた雰囲気のロックで、短い収録時間のアルバムの最後に余韻を感じさせます。
 一時期に比べて歌い方がソフトになった感じもしますが、1980年代からのファンにも満足でき、イタリアン・ポップス初心者にもオススメできる好作品だと思います。
1.Salta più in alto 2.Dimentica 3.Passeggeri distratti 4.Il nodo 5.Onde 6.Nat ieri 7.Aqua 8.Se passerai da qui 9.Mondi paralleli
(SONY BMG 82876834092)


Raf "Iperbole"

Raf 「Iperbole「 (2001)

 前作「La prova「(1998)では完全にロックになってしまい、私はがっかりしましたが、本作はロック色は濃いものの、3.「Via「のように昔の彼の曲を彷彿させるような曲もあって、少しほっとしました。1.「Infinito「がシングル・カットされてヒット。2.「R4「は完全なるロック。4.「Nei silenzi「は「静寂の中で「のタイトル通り静かな曲。7.「Troppo sensibile「はマックス・ガッツェとの共作曲で、ハモンドオルガンとコーラスで彼も参加しています。9.は「双曲線「という意味のタイトル曲で、ちょっと渋めのバラード。全体的にはロック色が濃いながらも、ロンドン・セッション・オーケストラというシンフォニー・オーケストラもバックを務めています。最近のアルバムにしては収録曲が少ないなーと思ったら、本作もCD−ROMとなっていて、1.のビデオクリップ(makingを含む2ヴァージョン)のほか、なんと1991年以降のアルバムから代表曲1曲ずつ計5曲(「Interminatamente「、「Il battito animale「、「Sei la più bella del mondo「、「Un grande salto「、「La danza della pioggia「)のビデオ・クリップが収録されていました。
1.Infinito 2.R4 3.Via 4.Nei silenzi 5.Oasi 6.Assolti 7.Troppo sensibile 8.Allegro tormentone 9.Iperbole 10.Infinto (remix)
(CGD eastwest 8573891132)


Raf "Collezione Temporanea"

Raf  「Collezione Temporanea「 (1996)

 新曲1.「Un grande salto「と既に発表した曲の新録音(一部を除く)からなる17曲入りのアルバムです。よく1曲だけ新曲を入れて後は既発表盤と同じヴァージョンという歌手もいますが、こちらは単なるベスト盤とではないところに好感が持てます。イタリア語によるラフの代表曲を網羅していますので、知らない方はこちらを聴いてから他のアルバムを聴いてみるのも良いかと思います。「Svegliarsi un anno fa「などは歌い方もさらっとしてしまっているのでオリジナルのほうが良いかも。しかし、収録時間は約75分ですので、とてもお買い得です。
1.Un grande salto 2.Il battito animale 3.Interminatamente 4.Cosa resterà degli anni '80 5.Sei la più bella del mondo 6.Ti pretendo 7.Gente di mare 8.Svegliarsi un anno fa 9.Inevitabile follia 10.Malinverno 11.Due 12.È quasi l'alba 13.Oggi un Dio non ho 14.Il suono c'è 15.Stai con me 16.Dentro ai tuoi occhi 17.Siamo soli nell'immenso vuoto che c'è
(CGD EAST WEST S.P.A 0630 16837-2)


Raf "Manifesto"

Raf 「Manifesto「 (1995)

 近年、CD-ROM仕様となったアルバムが増えてきましたが、こちらは2枚組としてCD-ROMを付録として付けたアルバム。このアルバムを買った当時は私もパソコンなど持っていませんでした。このCD-ROMを開くには画面の設定を「256色「に設定する必要があります。アルバムの方はヒット曲の1.「Sei la più bella del mondo「に始まり、2.「Dentro ai tuoi occhi「、5.「È quasi l'alba「などメロディーの美しい曲や、ファンキーな6.「Il suono c'è「など聴き手を飽きさせない構成となっています。ラストの9.「Interagendo「はインスト曲。プロデュースはRaf自身です。
1.Sei la più bella del mondo 2.Dentro ai tuoi occhi 3.Io e te 4.Manifesto 5.È quasi l'alba 6.Il suono c'è 7.Meteo 8.Prima che sia giorno 9.Interagendo
(CGD 0630-11048-2)


Raf "Cannibali"

Raf 「Cannibali「 (1993)

 ラフとダド・パリズィーニとの共同プロデュースによるアルバムで、通算5作目。私自身は彼の最高作だと思っています。今までなぜ紹介しなかったのだろうか? 1993年夏に大ヒットしたハウス調の1.「Il battito animale「を皮切りに2.「Stai con me「、3.「Il Re「、タイトル曲4.、5.「La folle corsa「、6.「Due「など、どれがヒットしてもおかしくないという曲ばかり続きます。さらにマッシモ・ラニエーリもカヴァーした7.「Il canto「、そしてステファノ・コッコ・カンティーニのサックスが印象的な9.「Mai「と充実した内容。初めてラフのアルバムを買うならばセルフ・カヴァー盤の「Collezione Temporanea「か本作がおすすめ。初回プレス盤には入っていませんが、後から「Due「のリミックス・ヴァージョンも追加収録されています。
1.Il battito animale 2.Stai con me 3.Il re 4.Cannibali 5.La folle corsa 6.Due 7.Il canto 8.Blu ? 9.Mai
(CGD 4509-92506-2)


Raf "Sogni...e' tutto quello che c'e' Live"

Raf 「Sogni...è tutto quello che c'è Live「 (1991) <PAL-VIDEO>

 ラフのライヴ・ビデオ。ジャケットからもわかるように、アルバム「Sogni...è tutto quello che c'è「からの曲を中心に18曲を収録。彼はライヴCDが出ていないので極めて貴重な音源だと思います。ゲスト陣が豊富で、まずはビアージォ・アントナッチが5.でラフの「Inevitabile follia「を歌い、さらにパオロ・ヴァッレージが彼自身のサンレモでのデビュー曲7.「Le persone inutili「と、ラフとのデュエットで8.「Gente di mare「を歌います。8.はもともとラフとウンベルト・トッツィのデュエットでヒットしたもの。そしてプーのアルバム「Uomini soli「のエンディングに入っていた13.「Tu vivrai「をなんとプーの4人とエンリコ・ルッジェーリが出てきて共演するという豪華な内容です。他には英語で歌ったヒット曲10.「Self control「や1989年サンレモ入賞曲の14.「Cosa resterà degli anni '80「なども歌っていて、89分間充実した内容となっています。
1.Sogni (Prelude) 2.Interminatamente 3.Santi nel via vai 4.La battaglia del sesso 5.Inevitabile follia(Biagio Antonacci) 6.È meglio così 7.Le persone inutili(Paolo Vallesi) 8.Gente di mare(con Paolo Vallesi) 9.Malinverno 10.Self control 11.Sogni 12.Senza respiro 13.Tu vivrai(con Pooh e Enrico Ruggeri) 14.Cosa resterà degli anni '80 15.Amarsi o non amarsi 16.Oggi un Dio non ho 17.Siamo soli nell'immenso vuoto che c'è 18.Ti pretendo
(WARNER MUSIC VISION 9031 75398-3)


Raf "Sogni...e' tutto quello che c'e'"

Raf 「Sogni...è tutto quello che c'è「 (1991)

 4枚目のアルバムです。この年のサンレモで歌った4.「Oggi un Dio non ho「が入っています。この年のサンレモは前年に続き外国人パートナーが出場しており、この曲はイスラエルの国民的スターのオフラ・ハザがパートナーを務めました。ラフから話はそれますが、オフラ・ハザはイスラエルの国民的歌手でしたが、伝統的な音楽とディスコ調のポップスとを融合させてワールド・ミュージック・ブームとともに欧米や日本でも人気が出て、来日もしましたが、2000年2月23日テルアビブで多臓器不全のため死亡してしまいました。ラフはこの夏3.「Siamo soli nell'immenso vuoto che c'è「がヒット。また、6.の「Anche tu「はエロス・ラマッツォッティとのデュエットです。
1.Sogni 'prelude' 2.Interminatamente... 3.Siamo soli nell'immenso vuoto che c'è 4.Oggi un Dio non ho 5.Se ti senti sola 6.Anche tu (con Eros Ramazzotti) 7.Amarsi o non amarsi 8.Senza respiro 9.È meglio così 10.Malinverno 11.Sogni
(CGD 9031 72453-2)


Raf  "Cosa restera'"

Raf 「Cosa resterà「 (1989)

 1989年サンレモ音楽祭入賞曲「Cosa resterà degli anni '80(日本題:現代)「がタイトル曲となっています。プロデュース、アレンジは前作と同じです。タイトル曲は「この'80年代に何が残るのだろう「、という内容でアレンジもとてもかっこよく私は大好きです。また、上述のように1.の「Ti pretendo「はこの年夏にヒットし、フェスティヴァル・バールで優勝しました。1989年サンレモにはビガッツィ一派の盲目の歌手、アレアンドロ・バルディが中堅の部に出場しましたが、その彼が歌った「E sia così「をカヴァーしており、バルディのファンには申し訳ないですが、ラフの録音の方がアレンジなども良いと思います。
1.Ti pretendo 2.Santi nel viavai 3.La battaglia del sesso 4.E gli altri dormono 5.Cosa resterà degli anni '80 6.Do I need your love? 7.Fai 8.E sia così
(CGD 2292 44962-2)


Raf  "Svegliarsi un anno fa"

Raf  「Svegliarsi un anno fa「 (1988)

 2枚目のアルバムで、初めてのイタリア語盤です。プロデュースはジァンカルロ・ビガッツィ、アレンジはダド・パリズィーニです。サンレモ入賞曲の4.「Inevitabile follia「、タイトル曲1.のバラード「Svegliarsi un anno fa(愛のめざめ)「、ジャズィーな5.「Guai(あやまち)「、7.「Sabbia nei bar(雑踏の砂)「などが特に印象的です。フランチェスコ・バッチーニなど他人の曲も取り上げています。日本でもCDが発売されましたが、現在は廃盤です。タイトルは「恋ひとすじ「となっていましたが、もう少しかっこいいタイトルにしてほしかった、です。
1.Svegliarsi un anno fa 2.Il sapore di un bacio 3.Aeroplano 4.Inevitabile follia 5.Guai 6.Non sei tu 7.Sabbia nei bar 8.Due occhi deserti
(伊盤           ・日本盤 キング K32Y2153)

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