バイオグラフィー
1966年結成。アルバム「Per quelli come noi」でデビューしましたが、当初からのメンバーで現在も所属しているのはRoby
Facchinetti(ロビー・ファッキネッティ)ただ一人です。結成時には現在ソロ歌手として活動中のRiccardo Fogli(リッカルド・フォッリ)がいました。1968年「Piccolo Katy」がヒット、1970年のセカンド・アルバム「Memorie」の発表時にメンバーの異動があり、ドラムスのValerio
Negrini(ヴァレリオ・ネグリーニ)、ギターのDodi Battaglia(ドディ・バッターリア)が加わりキーボードのロビーとベースのリッカルドと合わせて4名となり、現在の原型が出来上がりました。
現在のサウンドの原点となったのが大手レーベルのCBSに移籍した1971年発表のアルバム「Opera
Prima」で、代表曲の「Pensiero」、「Tanta voglia di lei(君をこの胸に)」もこのアルバムに収められています。1972年発表のアルバム「Alessandra」でネグリーニが作詞に専念することになり、ドラムスにStrefano
D'Orazio(ステファノ・ドラツィオ)が加入。その翌年デビュー当時からのメンバーで人気も高かったリッカルドが脱退し、一時解散の危機に直面しましたが、新たにRed
Canzian(レッド・カンツィアン)が加入し、アルバム「Parsifal」を発表、現在のメンバーとなりました。
以後25年以上にわたり、不動のメンバーで活動していることはまさに驚異であり、イタリアン・ポップス界を代表するグループとして、老若男女さまざまなファンに支持されています。
また、プログレッシヴ・ロックのブームにのって日本でも数多くLPが発売され、人気を得て来日してコンサートも行っているほか、1983年にはヤマハ世界歌謡祭で「Passaporto per le stelle(星へのパスポート)を歌っています。
その後もCDとして日本盤が再発されており、嬉しい限りです。
メンバーのソロ活動としては1980年代にロビー、ドディー、レッドがソロ・アルバムを発表しているほか、ロビーやドディーなどは作曲家として他の歌手へ数多くの曲を書いています。
ディスコグラフィー(1971年以降)
「Opera Prima」(1971)、「Alessandra」(1972)、「Persifal」(1973)、「1971/1974(ベスト盤)」(1974)、「Un po' del nostro tempo miglione」、「Forse ancora poesia」(以上1975)、「Poohlover」(1976)、「Rotolando respirando」(1977)、「Boomerang」(1978)、「1975/1978(ベスト盤)」(1978)、「Viva」(1979)、「Hurricane(英語盤)」(1980)、「Stop」(1980)、「Buona fortuna」(1981)、「1978/1981(ベスト盤)」(1981)、「Palasport(ライヴ盤)」(1982)、「Tropico del nord」(1983)、「Aloha」、「I nostri anni senza fiato(未発表曲編集盤)」、「Anthology(ベスト盤)」、「1981/1984(ベスト盤)」(以上1984)、「Asia non Asia」(1985)、「Giorni infiniti」(1986)、「Goodbye(ライヴ盤)」、「Il colore dei pensieri」(以上1987)、「Oasi」(1988)、「Uomini soli」、「Pooh 25 la nostra storia(ベスト盤)」(以上1990)、「Il cielo è blu sopra le nuvole」(1992)、「Musicadentro」(1994)、「Buonanotte ai suonatori(ライヴ盤)」、「Pooh book(ベスト盤)」(以上1995)、「Amici per sempre」(1996)、「The best of Pooh(ベスト盤)」(1997)、「Un posto felice」(1999)
アルバム紹介
Pooh 「Ascolta tour live 2004」(DVD)(2004)
2004年アルバム「Ascolta」発売後に行われたツアーのライヴDVDで、2004年8月7日Civitavecchia(チヴィタヴェッキァ)での野外コンサートの模様が2枚組133分にわたり収録されています。
1DVDは「Ascolta」のタイトル曲1.、そして2.「Capita quando capita」と続き、オープニングからエネルギー全開。「最初からこんなに飛ばして大丈夫なのかな?」と思ってしまいますが、余計な心配でした。熱のこもる演奏はもちろん、美しい海に面した会場や、年齢層も様々なファンの様子など、見ていてとても楽しいライヴです。18.「Scusami」の後はアルバム「Ascolta」のメイキング・ビデオで、メンバーの自宅でのインタビューなど興味深い映像を収録。「Capita quando capita」のビデオ・クリップも収録しています。
2DVDは2.「Pierre」、6.「Il cielo è blu sopra le nuvole」、7.「Noi
due nel mondo e nell'anima」、19.「Uomini soli」、20.「Pensiero」、 21.「Tanta
voglia di lei」 など過去の名曲が多く、エネルギッシュな1DVDに比べて、落ち着いたナンバーが目立ちます。最新アルバムーから感動的な23.「Domani」でエンディング。最後にボーナス映像として、まずはツアーのパックステージを収録。野外コンサートのため、リハーサルにもファンが詰め掛けており、うらやましい限り。最後にニカラグアへの慈善ツアーの模様を収録しています。
1DVD
1.Ascolta 2.Capita quando capita 3.Giorni infiniti 4.Lettera da Berlino
est 5.Rotolando respirando 6.Buona fortuna 7.Ultima notte di caccia 8.Viva
9.Io e te 10.Stella 11.Cosa sarà di noi 12.L'altra donna 13.Stare
senza di te 14.La donna del mio amico 15.Se cè un posto nel tuo
cuore 16.Ci pensero domani 17.Canterò per te 18.Scusami
2DVD
1.Mediterraneo 2.Pierre 3.Cercando di te 4.Dove sto domani 5.50 primavere
6.Il cielo è blu sopra le nuvole 7.Noi due nel mondo e nell'anima
8.Mi manchi 9.Notte a sorpresa 10.Nascerò con te 11.Dove sono gli
altri tre 12.Piccola Katy 13.Dammi solo un minuto 14.Portami via 15.Non
siamo in pericolo 16.Chi fermera la musica 17.Amici per sempre 18.Stai
con me 19.Uomini soli 20.Pensiero 21.Tanta voglia di lei 22.Dimmi di sè
23.Domani
(WARNER MUSIC VISION 5050467-6129-2-1)
Pooh 「Un posto felice」 (1999)
現在のメンバーとなって25年以上が経っていますが、現在もイタリアでは国民的な人気を誇るグループのプー。決して難しいことをせずにひたむきに自分たちの音楽スタイルを守っていることが人気がある理由でしょう。本作でも元気な演奏と歌を聴かせてくれています。オープニングにふさわしい明るい展開の「Se
balla da sola」やアグレッシヴな演奏のヒット曲5.「Dimmi di sì」など、ロビーが書いた曲5曲を中心に、ドディーが3曲、レッドが2曲を書いています。本作の曲を中心としたライヴ・ビデオも発売されています。
(CGD 3984 27171-2)
Pooh 「Un anno di Pooh」 (1995)
プーのビデオは数種発売されていますが、本作は上記の「Buonanotte ai suonatori」のビデオ版とも言える内容で、1994〜95年の1年間の活動をビデオにまとめたもの。「アコースティック・ツアー」や「Musicadentroライヴ」、「Telethon
ライヴ」など数々のツアーの模様が収録されています。列車に乗って各地をめぐるツアーの模様は見ていてこちらもイタリア旅行している気分になってしまいそう。「Buonanotte
ai suonatori」にも収録されているヴァティカンで行われたクリスマス・コンサートで歌った「E
non serve che sia Natale(聖夜の雫)」も映像で見ることができます。
(WEA 0630 13110 3)
Pooh 「Buonanotte ai suonatori」(1995)
2枚組ライヴ・アルバムで、ディスク2エンディングのタイトル曲のみスタジオ録音の新曲です。1994・95年に各地で行われたコンサートからの編集盤です。ディスク1の17.「E
non serve che sia Natale(聖夜の雫)」は1994年12月6日にヴァティカンで行われたクリスマス・コンサートに出演した際に、大オーケストラと聖チェチリア合唱隊をバックに歌ったもので、これと名曲「Parsifal」は96年に日本独自のベスト盤として発売された「Pooh
book」に収録されました。
(CGD 0630 10371-2)
Pooh 「Uomini soli」(1990)
プーは1990年に初めてサンレモ音楽祭に出場し、このアルバムのタイトル曲となった1.「Uomini
soli」で優勝しました。この曲はそれまでの彼等の楽曲のように明るい曲ではなく、サンレモを意識したアコースティックなバラード・ナンバーです。この年のサンレモは外国人ゲストがイタリア人とパートナーを組みましたが、この曲を歌った外国人はジャズの女性歌手のディー・ディー・ブリッジウォーターでした。10.「Tu
vivrai」は人気男性歌手のエロス・ラマッツォッティ、エンリコ・ルッジェーリ、ラフ、ウンベルト・トッツィが次々とソロで歌い、サビでプーのコーラスが加わるという面白い曲で、ラフのコンサート・ビデオ「Sogni...live
」でもプーとルッジェーリ、ラフの共演が見られます。
(CBS 466694 2)
Pooh 「Tripico del nord」 (1983)
本作は1984年の世界歌謡祭へのゲスト出演による来日記念盤としてLPも発売されました。私は残念ながらイタリアン・ポップスへ入ったのが1987年だったのでその頃のことは知らないのです。カリブのモンテセラートの「グリーン・ハウス・スタジオ」でレコーディングされています。ロビーの元気な曲が中心でカリブ海のムードたっぷりのジャケット・デザインとマッチしています。ア・カペラでタイトルもそのままの6.「Solo
voci」、唯一ドディーが書いた7.「Mezzanotte per te」、レッドが書いた7.「Colazione
a New York」などもいい。
(CGD CDS 6007)
Pooh 「Boomerang」 (1978)
76年の「Poohlover」からメンバー4人のプロデュースにとなり、壮大なオーケストラも聴けなくなりましたが、バンドらしくなってきました。現在もライヴなどでよく演奏されている2.「Ci
penserò domani(ひとりの女)」、ロビーのキーボードが印象的な5.「La
leggenda di Mautoa(マウトアの伝説)」など曲も粒ぞろいでいいのですが、いまひとつファンにとっては印象の薄いアルバムかもしれません。まあ、永年にわたり活動しているとこういうこともあるとは思います。
(CGD 9031-70507-2・日本盤 ワーナー AMCE-928)
Pooh 「Forse ancora poesia」 (1975)
ジァンカルロ・ルカリェッロのプロデュースによるプロデュースと、シンフォニックなオーケストラの導入は本作が最後。前作の印象があまりにも強く、本作はジャケットが妙に地味なのが損をしている印象。1.「Corri
corri」、6.「Cara bellissima」などメロディーの美しい曲が多く、5.「Quinta
stagione」、タイトル曲10.の2曲のインストだってすばらしいと思います。自作からバンドらしくなっていきます。
(CGD CDS 6104)
Pooh 「Un po' del nostro tempo migliore」 (1975)
「ロマン組曲」の邦題で日本盤も発売され、中世的な美しいジャケット・デザイン、シンフォニックなオーケストラ・アレンジと、プログレッシヴ・ロックのファンに絶大な人気を誇るアルバム。ジァンカルロ・ルカリェッロのプロデュース。私は5.「Fantasia(愛のファンタジア)」、7.「Eleonora
mia madre(エレオノーラの想い出)」、9.「Orient Express(夢のオリエント急行)」などが好きです。
(CGD 9031705232・日本盤 ワーナー AMCE-927)
Pooh 「Alessandra」(1972)
32名のオーケストラをバックにミラノで製作されたシンフォニックなアルバムで、プーを知る上で重要なアルバムのひとつに数えられます。「ミラノの映像」のタイトルで日本でも発売されて好評を博しました。イタリアで72年の年間ヒット・チャート8位になった名曲2.「Noi
due nel mondo e nell'anima(愛のルネッサンス)」が入っています。上述のように、このアルバムを最後にリッカルド・フォッリが脱退、レッド・カンツィアンが加入しました。
(伊盤 CGD CDS 6046・日本盤 ワーナー AMCE-925)