バイオグラフィー
1964年フィレンツェ生まれ。13歳のときにクラウディオ・バリオーニのキーボード奏者として活躍中のウォルター・サヴェッリにピアノの指導を受けました。会計士の学校に通いながら、夜はピアノ・バーでバッティスティやコッチァンテ、バリオーニなどの曲を弾き語りしていましたが、デモ・テープがジァンカルロ・ビガッツィ一派のプロデューサーだったダド・パリズィーニに認められて1989年のカストロカーロ新人コンテストへ参加する一方、ダンテ(Dante
Meschiari)の「Disordinatamente」というアルバムに楽曲を提供(このアルバムの何作かを後に発表するデビューアルバムに詞を変えて収録することになる)しています。そして1990年のマルコ・マズィーニのデビュー・アルバムへの曲提供、同年のサン・ヴァンサン・フェスティヴァルに「Ritornare
a vivere」という曲で参加など次第に活動の幅を広げ、1991年「Le persone inutili」でサンレモ音楽祭新人の部に参加して優勝しました。サンレモ参加後の5月デビュー・アルバム「Paolo
Vallesi」を発表。1年前マルコ・マズィーニを世に送り出したフィレンツェからまた新たなスターが生まれました。
翌1992年サンレモではビッグの部に出場し、「La forza della vita」を歌って3位に入賞しています。その「La forza della vita」をタイトルとしたセカンド・アルバムも好調な売上を記録し、日本でもCDが発売されました。
以後1994年「Non mi tradire」、1996年「Non essere mai grande」、1997年「Le
più belle canzoni di Paolo Vallesi(ベスト盤)」、1999年「_sabato
17:45」とアルバムを発売、デビュー当時の勢いはなくなったものの中堅シンガーとして脱皮し、活動中。
アルバム紹介
Paolo Vallesi 「I live you...」 (2012)
新譜を出すと言われながらも長いことご無沙汰状態のパオロ・ヴァッレージですが、2012年になって自身初のライヴ・アルバムとして発売されたのが本作です。
5人編成のバンド、コーラスを従え、2012年5月Firenze近郊のCassinoで録音されたものです。オープニングに続いてノリのある2と続きます。5は2006年に書かれた曲ですが、アルバム未収録曲となっていたものです。7はデビュー・アルバムに収められていた珠玉のバラード曲です。しかし、同様の美しいバラード曲11はメドレー的に1コーラスしか歌われていないのが惜しいところです。14は2012年発表の新曲です。ラスト16は大ヒット曲で、スペイン語ヴァージョンも交えて観衆とともに歌っています。
代表曲のほとんどが歌われており、昔からのファンにとっては嬉しいアルバムであるといえますが、1990年代の全盛期にライヴ盤を出して欲しかったとも思います。年代も重ねたことにより、オリジナルとは異なったアレンジで演奏されているものが多く、そのあたりは聴きどころです。
1.Intro 2.Sempre 3.Voglio fare l'amore con te 4.Canto così 5.La Shamba (Questo io farei) 6.Grande 7.Piramidi di luna 8.L'amore è un fiore 9.Le persone inutil 10.Un giorno normale 11.Ridere di te 12.Le amiche 13.C'è 14.È bastato un momento 15.Non mi tradire 16.La forza della vita
(edel 0208143CA1)
Paolo Vallesi 「Best of」 (2003)
パオロ・ヴァッレージ久々の新作は、3曲の新曲と既発表曲の新録を中心としたベスト・アルバムとなっています。
1.〜3.が新曲で、1.はオープニングにふさわしい明るめの曲。2.はジァンカルロ・ビガッツィとの共作曲で、落ち着いたヴォーカルを味わうことができます。3.は近作の傾向でもあるロック調の作品となっています。4.以降が新録を中心としたベストですが、いずれの曲も既にオリジナルの時点でクオリティの高いものでしたので、現代風の電子的な処理に多少違和感が感じられます。オーケストラ・ヴァージョンの12.「Piramidi di luna」など、美しく甦っている曲もありますが…。7.は女性歌手Maraと、10.・14.はスペインの人気歌手Alejandro Sanzとデュエットしています。Alejandro Sanzとのデュエットは過去にAlejandro Sanzのビデオ作品にも収録されておりますが、こちらに収録されているものと同一曲であるかどうかは確認しておりません。
1. Disegno libero 2. Se 3. Un giorno normale 4. Non mi tradire(new version) 5.
La forza della vita(new version) 6. Sempre(new version) 7. C'è
(con Mara) 8. Le persone inutili(new version) 9. Voglio fare l'amore
con te (new version) 10. Grande(Spanish version/con Alejandro Sanz/new
mix) 11. Ridere di te(new version) 12. Piramidi di luna(orchestral version) 13.
Non andare via(new mix) 14. Veleno - Quiero Morir En Tu Veneno(con Alejandro
Sanz) 15. Le amiche(new version) 16. Stringimi
(CGD eastwest 5050466722324)
Paolo Vallesi 「Non mi tradire」(1994)
サード・アルバム。ダド・パリズィーニとヴァッレージの二人によるプロデュースです。タイトル曲1.はフュージョン調のアレンジのカッコよい曲。ロック色が濃くなり、前作までよりもバラード曲が少なくなりました。2.「Insieme
a te」では曲を共作したエロス・ラマッツォッティがギターとコーラスで参加しています。10.「In viaggio」はビアージォ・アントナッチが作詞したバラード曲。車に乗って海に行く内容なので、そんな時に聴いてみて下さい。
1 Non mi tradire 2 Insieme a te 3 Vento di follia 4 L'eterna danza 5 La pelle e il cuore 6 Non mi tradire (reprise) 7 Vedi di non montarti la testa 8 Voglio fare l'amore con te 9 Non si ferma mai 10 In viaggio 11 Bandiere
(RTI MUSIC SUGAR SGR 4413-2)
Paolo Vallesi 「La forza della vita」(1992)
92年サンレモのビッグの部で3位に入賞した「La forza della vita(邦題:せつなさよりも強く)」がタイトルとなっています。プロデュースは前作と同じでダド・パリズィーニです。日本盤(現在廃盤)のタイトルは2.からとって「センプレ」となっていました。タイトル曲はエイズに苦しんでいる患者に対しての「強い意思と勇気を持って生きていこう」というメッセージの歌です。犬のトビーに対して話しかけるジャズィーな6.「A
spasso con Tobi(トビーと散歩)」や、切なさが伝わってくるバラード曲9.「Di
più(ほんの少しの幸福)」などバラード系の美しい曲が多く、彼のアルバム中ではいち押しです。
1. Intro 2. Sempre 3. La forza della vita 4. Tutti quelli che si perdono 5.
Ridere di te 6. A spasso con Tobi 7. Cuori lontani 8. Aiutami 9. Di
più 10. Fa che sia amore
(SUGAR 508 311-2)
Paolo Vallesi 「Paolo vallesi」(1991)
サンレモ新人の部で優勝した「Le persone inutili」が入ったデビュー・アルバム。91年夏には続いて6.「Amiche」がヒットしました。プロデュースは彼を見出したダド・パリズィーニです。ヴァッレージはマルコ・マズィーニに似たタイプですが、彼ほどの絶唱型ではありません。上述のとおりデビュー前、Dante(Dante
Meschiari)に曲を提供しており、それらの曲の何曲かを詞を変えて自分で歌っています。9.「Avevamo
noi」はフィレンツェ出身の先輩ラフの作詞・作曲です。
1. La strada del cuore 2. Piramidi di luna 3. Le persone inutili 4. Quando perdi la donna che hai 5. Il cielo di Firenze 6. Le amiche 7. La nave dei folli 8. Lontano 9. Avevamo noi
(SUGAR 508 309-2)