バイオグラフィー
1933年6月15日アドリア海に面したイストリア半島のポーラ生まれ。1960年代を代表するカンタウトーレ。
1952年にアマチュアのコンテストで優勝して歌手となり、1954年頃からヴェネツィアのリド島のクラブを中心に歌っていました。1958年にリコルディ社のオーディションを受けて、1960年代初頭にレコード・デビュー。「Aria
di neve」、「Via Broletto 34」、「Viva Maddalena」などのヒットで知られるようになり、1962年に「Io
che amo solo te(君だけを愛して)」が大ヒット。1963年「Era d'estate」、1965年「Teresa」など着実にヒット曲を生みました。1966年に初めてサンレモ音楽祭に出場して歌った「Adesso
sì(去り行く今)」で日本でもよく知られるようになり、サンレモには1967年「Dove
credi di andare(孤独な青春)」、1968年「Canzone per te(君を歌う)」(優勝)、1969年「Lontano
dagli occhi(瞳はるかに)」(2位)、1970年「L'arca di Noé(ノアの方舟)」(3位)、1971年「Una
storia(ある物語)」と6年連続で出場し、1970年には大阪フェスティヴァル・ホールで行われた「サンレモ音楽祭EXPO
'70」出演のため来日しています。サンレモには1973年「Elisa Elisa(エリーザ・エリーザ)」、1976年「Quando
c'era il mare(海にいた時)」、1986年「Canzone italiana(カンツォーネ・イタリアーナ)」と出場しました。
1980年代になるとあまり表舞台には出なくなりましたが、1980年代後半ごろまではたまにアルバムも出していました。「C'era
una volta il festival」などの歌合戦形式のテレビ番組にも出演していましたが、あまり歌っていないせいか、往時のイメージには程遠い出来でした。
2001年にはその功績を称えてサンレモのアリストン劇場における「PREMIO TENCO(ルイジ・テンコ賞コンサート)」でジーノ・パオーリ、トスカ、セルジォ・カンマリエーレ、クリスティアーノ・デ・アンドレなどといった錚々たる顔ぶれがエンドリゴの曲を歌う「エンドリゴに捧げる夕べ」が行われました。
その後、2005年にはサンレモ音楽祭の会場にも姿を見せていましたが、同年9月に亡くなりました。
アルバム紹介
Sergio Endrigo 「Flashback」(2002)
セルジォ・エンドリゴは1960年代を中心に活躍したカンタウトーレ。こちらは廉価ベスト盤の中でも基本的にオリジナル音源によることと、音質も良いことから大変好評なBMG
RICORDIの2枚組シリーズで、全24曲が収録されています。CD1は多くの歌手によってカヴァーされている名曲1.「Io
che amo solo te(君だけを愛して)」をはじめ、2.「Viva Maddalena」、そしてオリジナル音源ではないですが10.「Adesso
sì(去り行く今)」などを収録。CD2では1.「I tuoi vent'anni」、5.「Ci vuole
un fiore」、6.「Teresa」などを収録しています。残念なのは契約の問題なども考えられますが、1968年のサンレモ優勝曲の「Canzone
per te(君を歌う)」や、「Lontano dagli occhi(瞳はるかに)」などのヒット曲が収録されていないことです。
(BMG RICORDI 74321851322 (2))
Sergio Endrigo 「I giardini di Giovanni」 (1988)
エンドリゴについては正確なディスコグラフィーなどの資料がないので、断言は出来ませんけど、CDとして発売されたオリジナル・アルバムはおそらくこれが初なのではないでしょうか? 本作はタイトル曲1.などの新曲と、9.「Io
che amo solo te」、10.「Teresa」、11.「Adesso sì」、12.「L'arca di Noé」、13.「Canzone
per te」などの過去のヒット曲の新録音ヴァージョンから構成されています。おそらく16曲中、1.〜8.が新曲だろうと思います。若手のミュージシャンをバックに、決して歌い上げないエンドリゴのヴォーカルがマッチしています。
(New Enigma NEMCD 547705)
Sergio Endrigo 「Sergio Endrigo」 (1988)
本作は初期のヒット曲1.「Io che amo solo te」、3.「Viva Maddalena」から、人気絶頂期の6.「Teresa」、7.「Lontano
dagli occhi」、8.「Canzone per te」、9.「L'arca di Noé」、14.「Una storia」、16.「Dove
credi di andare」、17.「Perche non dormi fratello(兄弟よなぜ寝ない)」、20.「Adesso
sì」といったヒット曲が網羅されたベスト盤です。昔だったらキングから国内盤として出てもおかしくないと思いますが... 基本的には「イタリアン・ポップス」というよりは「カンツォーネ」という表現がピッタリ来ますが、バッティスティやテンコ、パオーリ、デ・アンドレらと共に現代イタリアン・ポップスの礎を築いた一人なので、聴いてみて欲しいと思います。
(FONIT CETRA CDM 2016)