バイオグラフィー
1934年9月29日モンテファルコーネ生まれ。1959年「La tua mano」でデビュー。ルイジ・テンコやウンベルト・ビンディらと共にジェノヴァ派のカンタウトーレと呼ばれました。ジェノヴァ派はジャズやシャンソンの要素を取り入れ、当時の他の歌手たちとは一線を画していました。
1961年初のアルバム「Gino Paoli」を発表。彼を代表する作品「Senza fine(恋に終わりなく)」、「Sassi(小石）」、「Il
cielo in una stanza（しあわせがいっぱい）」、「La gatta(雌猫)「などはすでにこのとき発表されていたのです。 「Senza
fine(恋に終わりなく)」はパオーリがオルネッラ・ヴァノーニのために書いた曲で、以後ヴァノーニは今日まで多くのパオーリ作品を取り上げています。
パオーリは1970年代後半以降一時やや人気が下降しましたが、1984年「Una lunga storia d'amore」のヒットで人気を回復し、現在も若者から年配者まで幅広い年齢層に支持されています。
ディスコグラフィー
「Gino Paoli」(1961)、「Le cose dell'amore」(1962)、「Basta chiudere gli occhi」(1964)、「Gino Paoli allo Studio A(ライヴ盤)」(1965)、「Le canzoni per 「Emmetì」(25cm LP)」(1966)、「Gino Paoli and The Casuals」(1967)、「Le due facce dell'amore」(1971)、「Rileggendo vecchie lettere d'amore」(1971)、「Amare per vivere」(1972)、「I semafori rossi non sono Dio」(1974)、「Ciao,salutime un po' Zena」(1975)、「Il mio mestiere」(1977)、「La ragazza senza nome」(1978)、「Il gioco della vita」(1979)、「Ha tutte le carte in regola」(1980)、「Averti adesso(ミニ・アルバム)」(1984)、「La luna e il Sig.Hyde」(1984)、「Insieme(オルネッラ・ヴァノーニとのジョイント・ライヴ盤)」(1985)、「Cosa farò da grande」(1986)、「Sempre」(1988)、「L'ufficio delle cose perdute」(1988)、「Gino Paoli '89 dal vivo(ライヴ盤)」(1989)、「Matto come un gatto」(1991)、「Senza contorno solo...per un'ora」(1992)、「KINGKONGPAOLI」(1994)、「Amori dispari」(1995)、「Appropriazione Indebita」(1996)、「Pomodori」(1998)、「Per una storia」(2000)、「Se」(2002)、「Ti ricordi? no non mi ricordo(オルネッラ・ヴァノーニとのジョイント盤)」(2004)、「Live(オルネッラ・ヴァノーニとのジョイント・ライヴ盤)」(2005)、「Milestones-Un incontro in jazz」(2007)、「Storie」(2009)。
アルバム紹介
Gino Paoli 「Storie」(2009)
2004年以降は、オルネッラ･ヴァノーニとの共作アルバムとそのライヴ、そしてジャズのライヴと続いたので、オリジナルのソロ・アルバムとしては、2002年以来実に7年ぶりの作品で、歌手生活50周年の記念盤となっています。そのような華々しさとは裏腹に、モノクロのジャケット、アコースティックでシンプルなアレンジと、比較的地味な作品に仕上がっています。1〜10については、アコースティック・ギターを軸にしたアレンジ、スローな曲調というのがどの曲にも共通しており、1曲ずつ特徴を挙げるのが難しいところですが、ピアノに導かれてオーケストラも導入される11は、ヒット性も秘めた秀逸なバラード曲です。そしてラストの12は、アフリカの島、ザンジバルのことを歌ったものだと思いますが、アップ・テンポで、本作の中では異色の作品となっています。
往時ほどには声が出なくなっているために、淡々とした曲が多くなっていますが、こうして新譜を出し続けられるよう、元気に活動していただきたいものです。
1.Il marinaio 2.Il nome 3.Il buco 4.Il pettirosso 5.Signora provvidenza 6.La signora e Mauri 7.Le chiave 8.L'uomo che vendeva domande 9.La paura 10.La falena 11.Due vite 12.Zanzibar
(Sonu Music 88697443462)
Ornella Vanoni e Gino Paoli 「Live」(DVD)(2005)
2004年にジョイント・アルバムを発売した2人のコンサート・ツアーから2005年6月24・25日にウンブリア州Assisi（アッシーシ）のTeatro
Lyrickでのコンサートを収録したDVD作品。2枚組でDVD1はコンサート本編、DVD2はBACKSTAGEとEXTRAが収められています。
2人で行うコンサートは1984年以来21年ぶりで、今回は昨年発売した2人のジョイント・アルバム「Ti ricordi? no non
mi ricordo」からの曲を中心に、オーケストラをバックに往年のヒット曲やジェノヴァ派カンタウトーレの曲などが歌われています。
オープニングは1960年代のパオーリの作品でヴァノーニも歌ってヒットした1.「Che cosa c'è」で幕を開けます。そして2004年の新曲2.「Boccadasse」、パオーリが弾き語りで少しだけ3.「La
gatta」を歌い、そしてヴァノーニの1981年の軽快なヒット曲4.「Musica musica」と続きます。パオーリがソロで歌う新曲5.「Lo
specchio「に続く6. 「Averti addosso「はパオーリのヒット曲ですが、ヴァノーニがフルコーラス歌ったのは意外でした。8.「Sapore
di sale」はパオーリの大のヒット曲で、最初に観衆に歌わせています。第一部は11. 「Come si fa」で幕を閉じます。
第二部は18〜20のルイジ・テンコ、ウンベルト・ビンディ、ファブリツィオ・デ・アンドレというこの世を去った伝説のジェノヴァ派カンタウトーレ作品が感動モノ。「しあわせがいっぱい」として日本でもお馴染みの22.「Il
cielo in una stanza」はパオーリのソロで歌われています。2人のデュエット25・26でエンディングを迎え、アンコールは1984年のコンサートでも歌われていた27と近年のパオーリ作品で美しいメロディーの28で幕を閉じます。
観衆も大半が往時を知る年配の方々で、温かいまなざしで2人の演奏を見守っているのが印象的です。DVD1
1. Che cosa c'è 2. Boccadasse 3. La gatta 4.Musica musica 5. Lo
specchio 6. Averti addosso 7. Questione di sopravvivenza 8. Sapore di sale
9. Vivere ancora 10. Io non t'amero per sempre 11. Questa notte c'è
12. Come si fa 13. Che cosa c'è (solo piano) 14 Dettagli 15.L'appuntamento
16. Una ragione di piu 17. La voglia, la pazzia 18. Lontano lontano 19.
La musica è finita 20. La canzone dell'amore perduto 21 Albergo
a ore 22. Il cielo in una stanza 23. Una lunga stora d'amore 24. Domani
è un altro giorno 25.Fingere di te 26. Senza fine 27. Ti lascio
una canzone 28.E m'innamorerai
DVD2
BACKSTAGE
EXTRA )
(COLUMBIA COL 202997 9)
Gino Paoli 「Se」(2002)
1989年の「Questa volta no」以来、久々に2002年のサンレモに出場したジーノ・パオーリ。本作は全曲新曲からなるアルバムとしては1998年の「Pomodori」以来4年ぶりの新作で、ほとんどの曲がアコースティックギターとストリングスをバックとした美しい曲です。収録時間が37分ほどと短いのが残念ですが、彼の最高傑作といっても過言ではないと思います。プロデュースはBruno
Sconocchia(ブルーノ・スコノッキァ)、アレンジ、オーケストラ指揮はAdriano Pennino(アドリアーノ・ペンニーノ)。サンレモ3位の2.「Un
altro amore「のほか、10.「I viaggiatori」なども感動的なバラード曲となっています。ジャケットと歌詞カードには彼の懐かしい写真が満載されています。
(Grande Londra 5075192000)
Gino Paoli 「Per una storia「 (2000)
2000年に発売されたジーノ・パオーリのアルバムは20世紀を振り返るという意味も込められているようで、全17曲中、タイトル曲1.などの新曲3曲以外はすべて過去のヒット曲により構成されていて、ブックレットにも彼の懐かしい写真が多数掲載されていました。13.「Quattro
amici」と15.「E m'innamorerai」の2曲は既に発売されているものと同テイクですが、他の曲は一部を除きPeppe
Vessicchio（ペッペ・ヴェッシッキォ）の指揮によるオーケストラをバックに歌われています。彼のヒット曲の新録は過去にも何度か試みがなされていますが、出来としては本作が最もよいといえるでしょう。また、新曲はタイトル曲と16.「Mari
Nù」と17.「Perduti」ですが、16.は若手カンタウトーレのアレックス・ブリッティのプロデュース、アレンジによる軽快な曲。
(Warner Music 8573 85506-2)
Gino Paoli 「Pomodori」 （1998）
トマトの絵が鮮烈な印象を与えていますが、曲のほうも粒ぞろいでよいアルバムです。タイトル曲「Pomodori」は軽快なリズムでヒットしました。 なお、6.の「Il
cacciatore di sogni」では、話題のグループ、ピッコラ・オルケトラ・アヴョン・トラベルが参加しています。
(FONIT CETRA TCDL 421)
Gino Paoli 「Le Origini」 （1998）
デビューから1960年代までの曲を集めた2枚組ベスト盤。パオーリのベストは数多く出ていますが、こちらはデビュー曲の「La tua
mano「や1961年サンレモ優勝曲で日本でもおなじみの「Al di là「など珍しい選曲です。もちろんヒット曲の「La
gatta」、「Sassi」、「Senza fine」、「Sapore di sale「なども入っていますし、４曲ほど「Gino
Paoli allo Studio A」(1965)からのライヴ録音も入っています。
(RICORDI 74321 426782(2))
Gino Paoli 「Appropriazione Indebita」(1996)
「横領罪「と名付けられたカヴァー・アルバムです。ジョン・レノンの「イマジン「や発売時期がクリスマス時期だったこともあり「ハッピー・クリスマス「も歌っいてます。、そしてシャルル・アズナヴールの「恋は一日のように」、スティービー・ワンダーの「Isn't
she lovely「など外国曲が中心ですが、ピーノ・ダニエーレの「Napule é「もカヴァーしています。外国曲のイタリア語詞はパオーリ自身によるものですが、スタンダード・ナンバーの「As
times goes by「はなんとナポリ方言で歌っています。
(FONIT CETRA TCDL 415)
Gino Paoli 「Senza contorno solo...per un'ora「 (1992)
「付け合せなしでひとときだけ「というタイトルが示すように、ピアノ・キーボードを中心としたシンプルなアレンジでこれまでのヒット曲2.「Come
si fà」、12.「Senza fine」、14.「Il cielo in una stanza「などを歌ったアルバムです。プロデュースはアルド・メルクリオ。LPでは2枚組で発売されていました。全23トラック入りで、いくつかの曲はメドレーにもなっています。エンディングの22.「Senza
contorno」、23.「La bella e la bestia「のみ新曲で、23.はディズニー映画「美女と野獣「のイタリア語ヴァージョン。娘のアマンダ・サンドレッリとのデュエットです。
(Wea 4509-91263-2)
Gino Paoli 「Matto come un gatto Tour 91・92」(1992)(PAL-VIDEO)
ジーノ・パオーリの1991・92年のツアーの中から、1991年9月29日のナポリ港での野外コンサートの模様を収録したライヴ・ビデオです。大ヒットした1991年のアルバム「Matto
come un gatto「の収録曲を中心に19曲が演奏されており、収録時間は約100分となっています。コンサートの前後にはジェノヴァ方言で歌われている「Ma
se ghe pensu「がテーマ曲として収録されていて、コンサートは2.「Cosa farò da grande「から始まります。サックスのBob
FixとトランペットのDemo Morselliの名前が特別にクレジットされているところを見ると、有名な人なのでしょうか？ かつてのヒット曲はメドレーで「Il
cielo in una stanza(しあわせがいっぱい)〜Senza fine(恋に終りなく)〜Sapore di sale(恋は塩味)「が歌われており、その他は比較的新しい曲となっています。ナポリの港の夜景も美しく、観衆の年齢層も様々で和やかなコンサートとなっています。
(Warner Music Vision 90317 6143-3)
Gino Paoli 「Matto come un gatto「 （1991）
1991年フェスティヴァル・バールで見事優勝した1.「Quattro amici「が収録されているアルバムです。この曲はレゲエ調のアレンジで若者たちの間で人気を呼びました。フェスティヴァル・バールでもパオーリの歌に合わせて観客が大合唱していました。なお、このアルバムの曲が入ったアニメビデオも発売され、パオーリに似せた猫がキャラクターになっています。
(Wea 9031 74938-2)
Gino Paoli 「'89 Dal vivo「 (1989)
タイトルが示すように1989年のライヴ・アルバム。LPでは2枚組でした。この年パオーリは実に久々にサンレモ音楽祭に出場して16.「Questa
volta no(邦題：秘められた炎)「という曲を歌いました。この曲はパオーリのアルバムではこのライヴ盤にしか入っていないので貴重です。(スタジオ盤は「Sanremo
'89「のオムニバス盤に入っていますがフェード・アウトしてしまっている。) 本作はその他近作の4.「Io ci sarò」、7.「Averti
addosso」、17.「Una lunga storia d'amore「などや懐かしのヒット曲6.「La
gatta(雌猫)」、13.「Come si fa」、18.「Il cielo in una stanza(しあわせがいっぱい)「などが楽しめます。ゲストにリッキー・ジャンコが参加し、スタジオ盤でも共演した11.「Parigi
con le gambe aperte「のほか9.「Sapore di sale(恋は塩味)」、10.「Vai
vai via(Bye Bye Love)「などを共演しています。なお、当初はFONIT CETRAからリリースされましたが、後にRICORDIから再発されました。
(FONIT CETRA CDGP 2101)
Gino Paoli 「Sempre「 （1988）
新曲とかつてのヒット曲の再録音からなる編集盤。1984年のヒット曲7.「Una lunga storia d'amore「のスタジオ録音盤の入っているＣＤはこの盤のみです。他に1.「Ti
lascio una canzone「や、11.「Col branco「などを収録。4.「Senza
fine」、6.「Il cielo in una stanza」、10.「Sassi「などかつてのヒット曲の新録音ヴァージョンも収録されました。このＣＤの発売元であるFIVE
RECORDからはドゥルーピなどもこのような再録音盤を出しています。
(FIVE RECORD ＣＤ ＦＭ 513617）
Ornella Vanoni e Gino Paoli 「Insieme「 (1985)
オルネッラ・ヴァノーニとジーノ・パオーリの共演2枚組ライヴ盤です。ディスク1ではパオーリの「Sassi」、「Io so perché
d'amore」、ヴァノーニの「Domani è un altro giorno(明日は別の日)」、「La
voglia di sognare「などのヒット曲が中心です。ディスク2は彼らのヒット曲やブラジルの「Samba in preludio(Samba
em preludio)」、二人がこよなく愛するジェノヴァ派カンタウトーレのルイジ・テンコの「Vedrai vedrai」、「Lontano lontano「などがメドレーで歌われています。アレンジは「ひげの名指揮者・アレンジャー「のペッペ・ヴェッシッキォが担当しました。
(CGD 2 CDS 6013)
Gino Paoli 「Gino Paoli「 (PAL-Video)
ジーノ・パオーリのビデオは数種発売されていますが、本作は1960〜70年代のイタリア国営放送のRAIの秘蔵VTRを集めた作品。「Senza
fine」、「Sapore di sale」、「Il cielo in una stanza」、「Sassi」、「Come
si fa」、「Invece no「などのオリジナル・ヒット曲やフランスのジャック・ブレルの「行かないで「のパオーリ訳詞によるイタリア語盤「Non
andare via」、レオ・フェレの「Avec le temps(時の流れに)」など、パオーリの貴重な名演が約55分間にわたり繰り広げられています。「Che
cosa c'è」をオルネッラ・ヴァノーニ、ジｧンニ・モランディと共演しているのも見逃せません。
(VIDEO RAI FONIT CETRA video VRL 4016)
