バイオグラフィー
1960年5月16日アウグスタ生まれ。本名ロザリオ・フィオレッロ。1992〜93年にイタリアで放映されて大人気番組となった「KARAOKE」の司会者として知られています。イタリアにおいてカラオケを流行させた立役者で、以後イタリアでもカラオケのCDが数多く発売されました。彼を見出したのはもともとジョヴァノッティのプロデューサーであるクラウディオ・チェッケットで、イタリアの人気歌手の曲を声帯模写した彼の即興によるステージに着目し、ラジオDJに抜擢、たちまち人気が出てテレビ番組「KARAOKE」へと発展したわけです。「KARAOKE」の番組主題曲の「Si
o no」はシングル盤が発売されて大ヒットしました。
アルバムは当初は声帯模写による他人の曲のカヴァー集として「Veramnte falso」を発売。そして1993年、彼の歌が入った盤と同じ曲のカラオケ盤との2枚組アルバム「Karaoke
Compilation」を発売し大ヒットしました。
1995年サンレモ音楽祭に初出場し、883のマックス・ペッツァーリが作曲した「Finalmente tu」で5位に入賞し、その「Finalmente
tu」をタイトルとしたアルバムを発表。このアルバムからは声帯模写をやめ、他人の曲も彼なりの歌い方で歌っています。
翌1996年には初の全曲オリジナル曲によるアルバム「Saro Fiorello」を発売、続いて1997年にカンタウトーレ達の曲のカヴァー・ベスト盤「Dai
miei amici cantautori」を発売。1998年に外国曲のカヴァーが大半を占めるアルバム「Batticuore」を発売、1999年に新曲「Voglio
vivere a colori」を追加収録しています。
歌手としての活動のほか、1998・99年のフェスティヴァル・バールの司会も務め、人気タレントとして活躍しています。
アルバム紹介
Fiorello 「Saro Fiorello」(1996)
初の全曲オリジナル曲によるアルバムで、プロデューサーに初代マティア・バザールのメンバーでエロス・ラマッツォッティなどのプロデューサー・作曲家として活躍しているピエロ・カッサーノを迎えました。12曲中8曲がカッサーノの作曲によるもので、1.「Tu
solo tu」、4.「Ti sto'」などにヒット・メーカーとしてのカッサーノの曲作りが表れ、イタリアの伝統を生かしたポップ・ナンバーが並んでいます。カラオケ番組の司会者出身の彼ですが、歌手としての存在を強くアピールした作品といえます。
(RTIMUSIC RTI 1122-2)
Fiorello 「Finalmente tu」(1995)
これまで声帯模写だった歌唱方が彼自身のそれに変わったアルバムで、上述の通り95年サンレモ音楽祭に初出場して5位入賞となった883のマックス・ペッツァーリ作曲の4.「Finalmente tu」がタイトルとなっています。他はカヴァーで、1959年サンレモ入賞曲でミーナなども歌っている1.「Nessuno」、ノマーディのヒット曲2.「Io vagabondo」、ジァンニ・モランディの3.「Un mondo d'amore」、レナート・ゼロの5.「Il cielo」、ジーノ・パオーリの7.「Una lunga storia d'amore」、クラウディオ・バリオーニの8.「E tu...」、ミケーレ・ザリッロの9.「Cinque giorni」などが収録されています。12.に883の「Senza averti qui」が、13.14.で1.4.のカラオケが収録されました。
(Marton corporation CD FRI 6030-2)