バイオグラフィー
1951年9月21日ジェノヴァ生まれ。子供の頃から音楽に対する情熱があり、8歳の時にピアノを学び、後にギター、フルートなどの楽器をこなすようになりました。
1971年プログレッシヴ・ロック・グループのデリリウム(Delirium)のフルート、ギター、リード・ヴォーカルとしてアルバム「Dolce
acqua」でデビュー。翌72年「Jesahel(イェザエル)」でサンレモ音楽祭に出場して入賞し、全欧で大ヒットしました。デリリウムは彼の兵役服務により人気は失墜し、彼の除隊後もグループには復帰せず解散しました。73年にソロ・アルバム「Il
grande mare che avremmo traversato」、オスカー・プルデンテとの共作によるアルバム「Poco
prima dell'aurora」を発表。
以後も各種の楽器をこなすカンタウトーレとして活躍し、ロレダーナ・ベルテ、ミーナ、フィオレッラ・マンノイアなど多数の歌手に曲を提供、プロデュースなども行っています。特に88年のアルバム「La
pianta del te」以降はいずれも芸術性の高いアルバムを製作しています。
ディスコグラフィー
「Il grande mare che avremmo traversato」、「Poco prima dell'aurora(con Oscar Prudente)」(以上1973)、「Good-bye Indiana」(1975)、「La casa del serpente」(1977)、「La mia banda suona il rock」(1978)、「Panama e dintorni」(1981)、「La città di frontiera」(1983)、「Ventilazione」(1984)、「700 giorni」(1986)、「La pianta del te」(1988)、「Discanto」(1990)、「Lindbergh-Lettere da sopra la pioggia」(1992)、「Dal Vivo vol.1-Buontempo(ライヴ盤)」(1993)、「Dal Vivo vol.2-carte da decifrare(ライヴ盤)」(1993)、「Il toro(サントラ)」(1994)、「Macrame」(1996)、「Canzoni a raccolta-Time and Silence」(1998)、「La disciplina della terra」 (2000)。
アルバム紹介
Ivano Fossati 「La disciplina della terra」 (2000)
2000年発表の作品。近作同様、ジャズのエッセンスを採り入れた大人の雰囲気の落ち着いたアルバムです。フォッサーティとベース奏者のベッペ・クイリーチ(Beppe
Quirici)の共同プロデュース。タイトル曲3.は彼が奏でるピアノとジャンフランコ・ロンバルディ(Gianfranco
Lombardi)のオーケストラが雰囲気満点のバラード曲。唯一のトラディショナル曲である8.「La
rondine」では、ファブリツィオ・デ・アンドレの娘ルービ・デ・アンドレ(Luvi
De Andre)がヴォーカルで参加しています。彼のアルバムは難解なイメージをお持ちの方も多いと思いますが、本作はイタリアン・ポップス入門者にも聴いていただきたい一品です。
(COLUMBIA COL 495072 2)
Ivano Fossati 「Dal Vivo vol.1-Buontempo」 (1993)
1993年3月2・4日クレモナのテアトロ・アミルカーレ・ポンキエッリで行われたコンサートのライヴ盤で、続いてパート2として「Dal
Vivo vol.2-carte da decifrare」が発売されました。オペラ劇場でのポップス歌手のコンサートはイタリアでは珍しいことではいようです。バックはベースのベッペ・クゥイリチ、ドラムのエリオ・リヴァッリ、ハープのヴィンチェンツォ・ツィッテッロら「La
pianta del te」以来務めているミュージシャンが中心です。フォッサーティは歌い上げるタイプではなく、バックの演奏や歌詞の内容等様々な要素をまとめて音楽を作り上げるタイプで、玄人筋に人気があります。
(EPIC EPC 473901 2)
Ivano Fossati 「Lindbergh-Lettere da sopra la pioggia」 (1992)
1927年初めて大西洋を横断飛行したチャールズ・リンドバーグがタイトルとなっています。湾岸戦争時期に作られたため、反戦的なメッセージがこめられた作品で、1.「La
canzone popolare」、6.「Mio fratello che guardi il mondo」がちょっとしたヒットとなりました。1.は後にミア・マルティーニもカヴァーしています。5.「Il
desertore」は日本でもお馴染みのシャンソン「脱走兵」で、オルネッラ・ヴァノーニも歌ったジォルジォ・カラブレーゼのイタリア語訳詞によるものです。
(EPIC EPC 471496 2)
Ivano Fossati 「La pianta del te」 (1988)
上述の通り本作以降のフォッサーティは、ロック・ジャズ・民族音楽等を融合させた芸術性の高いアルバムを製作しています。本作の題は「(紅)茶の地図」という意味。4.「La
volpe」ではテレーザ・デ・シオが、6.「Questi posti davanti al mare」ではファブリツィオ・デ・アンドレとフランチェスコ・デ・グレゴーリが参加しています。「Panama e dintorni」(1981)に入っていた9.「La
costruzione di un amore」を再び録音していますが、この曲は1978年にミア・マルティーニのアルバム「Danza」のために書いた曲です。後にオルネッラ・ヴァノーニもカヴァーしています。
(CBS 460664 2)
Ivano Fossati 「La casa del serpente」 (1977)
ソロとしてのフォッサーティの作品は、当初は彼の歌唱・フルート等デリリウム時代のイメージが見え隠れする楽曲でしたが、本作あたりからポップになり、メロディーも比較的カンツォーネの伝統を受け継いだものになりました。この傾向は86年の「700
giorni」あたりまで続きます。彼は決して良い声というわけではないのですが、訴える何か独特の雰囲気を感じさせます。この頃はミア・マルティーニのバックアップを行っていた時期で、本作では6.「Anna
di primavera」では逆に彼女が協力しています。本作からはミーナが1978年に1.「Stasera io qui」と7.「Non puo morire un'idea」を取り上げており、後に5.「La
casa del serpente」もカヴァーしました。
(RCA ND 74564)