バイオグラフィー
1941年1月18日レッジョ・エミリアのリゴンキォ生まれ。
ミーナ、オルネッラ・ヴァノーニ、ミルヴァの3大プリマ・ドンナに次ぐ本格派女性歌手といわれました。
1961年地元のコンテストで優勝、翌1962年カストロカーロ新人コンテストで優勝。サンレモ音楽祭への出場権を得ましたが、喉の障害により棄権してしまいました。1964年Rifiレコードよりデビュー。しばらくは同社所属の代表的女性歌手ミーナに次ぐ歌手という存在でした。1965年サンレモ音楽祭に初出場し、「I
tuoi anni più belli(恋に時を忘れて)」を歌いましたが選外となりました。1964年「Come
ti vorrei」が最初のヒットとなり、さらに同年「Accarezzami amore(私だけを愛して)」がヒット。翌1966年サンレモでは「La
notte dell'addio(わかれの夜)」を歌って入賞、夏のディスク・フェスティヴァル参加曲「Fra
noi(二人の仲)」もヒットして人気も安定したものとなっていきます。1967年のサンレモではクラウディオ・ヴィッラをパートナーとして「Non
pensare a me(愛のわかれ)」で見事優勝。サンレモには2年後の1969年にも「Zingara(涙のさだめ)」でボビー・ソロをパートナーとして優勝しています。1970年サンレモではセルジォ・エンドリゴの作品「L'arca di Noè(ノアの箱舟)」をエンドリゴ自身をパートナーとして歌って3位入賞。
以後、1971年「La riva bianca la riva nera(国境のなみだ)」(夏のディスク3位)、「Coraggio e paura(勇気とおそれ)」(カンツォニッシマ3位)、1972年「Ma ha stregato il viso tuo(微笑みのうらに)」(カンツォニッシマ3位)、「Testarda io(心遥かに)」、1974年「Ciao cara come stai?(さよならも言わずに)」(サンレモ優勝)、「Le giornate dell'amore(愛の日々)」(ヴェネツィア音楽祭参加)と、着実にヒットを飛ばしました。特に女性歌手としてサンレモでの3度の優勝というのは彼女のみが持つ記録です。
一方で1970年代以降、ギリシャのミキス・テオドラキス作品集、フランスのシャルル・アズナヴール作品集、ナポレターナ集など、テーマを持った優れたアルバムを多数製作しましたが、1980年代以降は他人の曲をディスコ風にアレンジしたりしてやや面白みに欠けてしまいました。
現在ではアルバムはあまり出していませんが歌手として、またテレビの司会者として幅広く活動中。
なお、1976年10月第2回民音イタリア音楽祭(サンレモ・ヒット集)公演のために初来日、1978年にはコンサートのために再来日しています。
アルバム紹介
Iva Zanicchi 「Testarda io」(1999)
下記の日本編集ベスト盤は廃盤ですが、こちらは1999年発売なので入手可能です。こちらは19曲を収録。うち、タイトル曲や1.「Non
pensare a me(愛のわかれ)」、7.「Zingara(涙のさだめ)」、12.「Ciao cara come
stai?(さよならも言わずに)」などのヒット曲は上述の盤とほぼ同内容。重複しないのはオルネッラ・ヴァノーニのヒット曲3.「Io
ti darò di più(生命をかけて)」、アズナヴールの10.「Morire
d'amore(愛のために死す-炎の恋)」、サンレモ初参加の「I tuoi anni più
belli(恋に時を忘れて)」、ナポレターナの16.「Tu saje a verità(誠実なあなた)」など8曲となっています。
(キング KICP 8510)
Iva Zanicchi 「Zingara」 (1990)
こちらはイタリア盤のベスト盤。2.「Senza catene(Unchained melody)」、戦前の曲で現在も多くの歌手に歌われている4.「Ma
l'amore no(けれど恋は)」、フランコ・シモーネの5.「Mi esplodevi nella mente」、トニー・ダツラーラのヒット曲で日本でもおなじみの4.「Come
prima(コメ・プリマ)」、ナポレターナの6.「Anema e core(アネマ・エ・コーレ)」、ドメニコ・モドゥーニョの作品でジリオーラ・チンクェッティでおなじみの11.「Dio,come ti amo(愛は限りなく)」などカヴァーが中心ながら上記の日本盤に入っていないものを中心に1969〜79年の録音全15曲を収録しています。
(DISCHI RICORDI CDOR 8782)
Iva Zanicchi 「Coraggio e paura...」 (1990)
こちらもリコルディ盤のベスト。1.「La riva bianca,la riva nera(国境のなみだ)」、2.「Coraggio
e paura(勇気とおそれ)」、6.「L'arca di Noè(ノアの箱舟)」、7.「Un
fiume amaro(苦い河)」など日本盤のベストとも少し重複していますが、ミーナなどの曲を歌ったメドレーの5.「Fortissimo〜Sono come tu mi vuoi〜La vita〜Tutta
la gente del mondo〜Vorrei che fosse amore」や、ナポレターナの12.「Munastero
'e Santa Chiara(サンタ・キァーラ寺院)」など1967〜72年の曲を13トラック収録しています。
(DISCHI RICORDI CDOR 9138)
Iva Zanicchi 「Nefertari」 (1988)
ザニッキのベスト盤以外のアルバムでCDとして発売されているものは数少なく、こちらは比較的新しい録音のもの。中古盤店で見かけましたが、お隣韓国では別ジャケットで出ているようです。ミーナもそうですが、ザニッキの最近の歌唱は声をからしてがなるような感じになってしまいました。本作はサックスが入っているのはいいのですが、打ち込みを使った中途半端に現代的なアレンジとなって、ちょっとつまらないという印象。曲はまあまあいい曲なのでアレンジ次第ではいいアルバムになったと思うんだけど。ギターでアルベルト・ラディウスが参加しています。
(CAROSELLO CDCLN 25128)
Iva Zanicchi 「Iva Zanicchi Best 20 Canzone Best Star Album On CD」(1987)
イヴァ・ザニッキは上述のように1970年代以降素晴らしいアルバムを多数発表しており、私もLPを数多く持っているのですが、ここでは残念ながらCDのみの紹介ですのでベスト盤が主体となってしまいました。本作は1987年当時1.「Testarda
io(A distância)(心遥かに)」がホンダのCF曲として使用されていたこともあり、話題の1枚となっていました(現在廃盤)。この曲はもともとブラジルのロベルト・カルロス(サッカー選手ではない)の作品で、マリア・クレウーザなども歌っています。映画ルキノ・ビスコンティ監督の映画「家族の肖像」にも挿入歌として使われました。他にはテオドラキス作品の2.「Il
ragazzo che sorride(微笑む少年)」、アズナヴール作品の4.「Ieri sì(帰り来ぬ青春)」、サンレモ優勝曲の12.「Ciao
cara come stai?(さよならも言わずに)」、16.「Zingara(涙のさだめ)」、17.「Non
pensare a me(愛のわかれ)」などヒット曲を網羅しております。
(キング K32Y 2080)