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Marcella (Marcella Bella) | マルチェッラ(マルチェッラ・ベッラ)

バイオグラフィー

 1952年6月18日シチリア島のカターニャ生まれ。兄はカンタウトーレのジァンニ・ベッラ。
 1965年新人コンテスト、フェスタ・デッリ・スコノシゥーティで注目されましたが、13歳だったためデビューには至らず、1969年シングル「Un ragazzo nel cuore/Il pagliaccio(愛の切符)」でデビューし、同年カンタジーロ・フェスティヴァルの新人グループに参加しています。 1971年ヴェネツィア音楽祭新人部門銀のゴンドラで「Hai ragione tu(吹きすさぶ恋)」を歌い、2位。翌1972年にはサンレモ音楽祭に初出場し、「Montagne verdi(青い山脈)」で入賞。テレビ・フェスティヴァルのカンツォニツシッマで「Un sorriso e poi perdonami(ほほえみの扉)」で2位となり、一気にスター歌手となりました。1973年には「Io,domani(燃える明日)」でフェスティヴァル・バール優勝。「Mi...ti ...amo(平行線)」もヒットし、女性歌手として年間ベストセラー1位となっています。また、同年東京音楽祭のため来日。翌1974年も「Nessuno mai(炎)」、「L'avvenire(燃える魂)」、1975年「E quando(そしてその時)」、「Negro(ネグロ)」、1976年には「Resta cu’ mme(ドメニコ・モドゥーニョのヒット曲のリバイバル)」、「Abbracciati(恋の逃亡者)」と着実にヒットを飛ばしました。1977年には来日コンサートも行っています。
 1980年代以降、兄ジァンニ・ベッラが次第に自身の活動に身を注ぐようになると、ヒット・チャートからは遠ざかりました。
 以後、結婚して子供もできると1970年代のビートの利いた歌から大人の魅力がある歌へと変わっていきました。1990年代初頭あたりまではサンレモへの出場、アルバムの発売などはコンスタントに行っていましたが、その後あまり目立った活躍はしていません。

ディスコグラフィー(ベスト盤を除く)

「Tu non hai la più pallida idea dell’amore」(1972)、「Mi... ti... amo」(1973)、「Metamorfosi」(1974)、「L’anima dei matti」(1975)、「Bella」(1976)、「Femmina」(1977)、「Camminando e cantando」(1977)、「Marcella Bella」(1981)、「Problemi」(1982)、「Nell’aria」(1983)、「Nel mio cielo puro」(1984)、「Senza un briciolo di testa」(1986)、「Tanti auguri」(1987)、「Marcella 88」(1988)、「Verso l’ignoto」(1990)、「Marcella Bella Canta Battisti」(1990)、「Sotto il vulcano」(1991)、「Tommaso(ライヴ盤)」(1993)、「Anni dorati」(1995)

アルバム紹介

Marcella 「Anni dorati」

Marcella 「Anni dorati」 (1995)

 下記「Verso l'ignoto...」と同様、ジェオフ・レスリーらによるコンピュータ・プログラミングされたアレンジ。歌われている楽曲は4.「Te vojo ben」、8.「Te quiero dijiste」などのタイトルからおそらく古き良き時代のラテン・ナンバーやカンツォーネの古典などだと思うのですが(勉強不足で申し訳ありません)、だったらアコースティックなアレンジにして欲しかった。モノクロのジャケット写真がレトロさを感じさせるだけに残念に思います。
(CGD 0630 10468-2)


Marcella 「Sotto il vulcano」

Marcella 「Sotto il vulcano」 (1991)

 最近久々にアルバムを出したマルチェッラ。本作は1990年代初頭に発売された隠れた名盤です。なぜ隠れた名盤かというと、タイトル曲1.がーのロビー・ファッキネッティ作曲による美しいバラード曲であるということ、そしてシングル・カットされた2.「Amici」は同じくファッキネッティの作曲で、しかもかつてのプーのメンバーでその後ソロとなったリッカルド・フォッリとデュエットしているということです。これだけ書くとプーのファンの方は興味をそそられるでしょうが、マルチェッラ自身は完全なポップ・シンガーであり、その他の曲は3.「Porto Wuebo」のように1980年代に彼女が得意としていたディスコ調なども含んでおります。落ち着いたバラード曲は5.「Domani」、6.「E sarebbe bello diventare insieme un pensiero solo」などでも聴くことができますが…。
 プロデュースとアレンジは兄のジァンニ・ベッラが担当しており、完成度の高い作品となっていますが、CDの時代にしては曲数が8曲と少なく、歌詞カードが付いていない点などは不満です。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6436)


Marcella 「Verso l'ignoto...」

Marcella 「Verso l'ignoto...」 (1990)

 兄ジァンニ・ベッラとデュエットした同年サンレモ音楽祭入賞曲1.がタイトル曲。「未知に向かって」という題で日本でも「カンツォーネの歴史」という5枚組のオムニバス盤(キング)に収められた曲です。本作はロンドン録音で、アレンジャーのジェオフ・レスリーのコンピュータ・プログラミングされたキーボードを中心としたサウンドで、やや軽めの印象。曲はほとんどが兄のジァンニによるものです。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6412)


Marcella 「'88」

Marcella 「'88」 (1988)

 1970年代に日本でも人気があり、1980年代にはサンレモ音楽祭の“常連”としてイタリアン・ポップス界において活躍したマルチェッラ(日本盤では「マルチェラ」と表記)。本作は1988年の作品で、1.「Dopo la tempesta(愛の嵐)」は同年のサンレモ音楽祭で入賞した曲です。CBS移籍後は彼女の日本盤アルバムが出ていませんでしたが、RICORDIに移籍して久々に本作の日本盤(K32Y 2150)が発売されました。サウンドは打ち込みを用いたいかにも「1980年代的」なものですが、プロデュースを務める兄のジァンニ・ベッラの曲が粒揃いで、聴きやすいアルバムだと思います。軽快な曲が中心ですが、5.「Esseri umani」は珍しく感動的なバラード曲となっています。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6380)


Marcella Bella 「Marcella Bella canta Battisti」

Marcella Bella 「Marcella Bella canta Battisti」 (1990)

 ルーチォ・バッティスティの曲のカヴァー集。1990年の発売ですが、1983・84年録音の編集盤です。1.「Emozioni」、2.「Pensieri e parole」、3.「10 ragazze(10人の女達)」、4.「Fiori rosa fiori di pesco(パラの花、桃の花)」、5.「Ancora tu」、6.「Il tempo di morire」、7.「Acqua azzurra acqua chiara(青い水、澄んだ水)」の7曲の収録のため、録音時間は短め。プロデュースはジァンニ・ベッラ。アレンジは5.のみフィオ・ザノッティ、他はアルベルト・モンペッリォによるものです。写真とは別のデザインのジャケットのものも出ています。個人的には本作のような電子楽器を使ったアレンジよりは、同じバッティスティのカヴァーものとしてはミーナの1975年作品「Mina canta Lucio」の方が味があって好きです。
(CBS 466641 2)


Marcella 「Marcella BEST 19 Canzone Best Star Album On CD」

Marcella 「Marcella BEST 19 Canzone Best Star Album On CD」 (1987)

 かつては日本でも多数のLPが出ていたマルチェッラですが、CDではこのベスト盤と1988年の「Marcella 88」が発売されたのみです(いずれも現在廃盤)。本作は1969年のデビュー曲8.「Il pagliaccio(愛の切符)」から1.「Nessuno mai(炎)」、2.「Montagne verdi(青い山脈)」、3.「Io,domani(燃える明日)、5.「Un sorriso e poi perdonami(ほほえみの扉)」、9.「Negro(ネグロ)」などのおなじみのヒット曲を網羅しています。他にもルーチォ・バッティスティの6.「Io vivrò(senza te)(愛は死なない)」や、ウンベルト・トッツィが作曲してリッカルド・フォッリも録音した13.「Mi manca(炎の瞳)」、ロバータ・フラックの「やさしく歌って」のイタリア語盤19.「Mi fa morire cantando」なども収録した充実した内容のベスト盤です。
(日本盤 キング K32Y 2077)

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