バイオグラフィー
1923年9月13日ナポリの東に位置するAvellino(アヴェリーノ)のモンテッラ生まれ。
ナポリ大学工学部卒業後、1950年に新人コンテストに応募してデビュー。レーナト・カロゾーネが1954年に創唱した「Scapricciatiello(ふぬけ男)」を1956年に歌って大ヒット。さらに同年ナポリ音楽祭で優勝した「Guaglione(ガリオーネ)」のヒットでナポリを代表するスターとなりました。「Scapricciatiello」はフィエッロの代名詞ともなり、1957年にはカンツォニッシマでも歌って優勝しています。サンレモ音楽祭にも「Timida
serenata(内気なセレナード)」、「Fragole e cappelini(苺と小さな帽子)」(1958)、「Li
per li(リ・ペル・リ)」、「Avevamo la stessa eta(同い年)」(1959)、「Lui
andava a cavallo(子馬に乗って)」、「Cipria di sole(太陽のおしろい)」(1962)、「Occhi
neri e cielo blu(黒い瞳に青い空)」(1963)、「Sole pizza e amore(太陽とピザと恋)」(1964)など初期の頃に多数出場しています。
1977年と1983年に来日し、77年は「第3回民音イタリア音楽祭」に出演、83年は、2月19日銀座中央会館ホールでの荒井基裕カンツォーネ研究所主催「カンツォーネ25周年記念演奏会」に出演しています。 現在も「VIVA NAPOLI」などの番組にするなど活躍中。また、彼が経営するナポリのレストランでは地元の歌手がライヴを行っていて、観光客向けではない本格的なナポレターナを聴くことができるそうです。
また、2000年11月に来日、「VIVA NAPOLI ! ナポリ民謡の祭典 巨匠アウレリオ・フィエロと人気のスターたち」というコンサート・ツアーで、マリオ・マリオーネ、リタ・ロンディネッラ(以上歌手)、松本淳子(歌手・司会)と共に11月21日の青森市文化会館を皮切りに12月19日の川崎市教育文化会館まで全国20箇所での公演を行いましたが、それが最後の来日となり、2005年3月脳卒中で亡くなりました。
アルバム紹介
Aurelio Fierro 「'A pizza」
廉価のベスト盤を出しているReplay Musicレーベルからのもので、彼の最初のヒット曲1.「Scapricciatiello(ふぬけ男)」に始まり、ドメニコ・モドゥーニョの2.「Lazzarella」、3.「Vurria(ヴリア)」、5.「Guapparia(ガッパーリア)」などのナポレターナの名曲や、彼自身がヒットさせた8.「Guaglione(ガリオーネ)」など全14曲を収録しています。例によって録音年代が書いていないのですが、1960年代のものが中心かと思われます。タイトル曲11.は「ピザの歌」として知る人ぞ知る楽しい歌です。
(Replay Music RMCD 4179)
Aurelio Fierro 「Santa Lucia luntana(遥かなるサンタ・ルチア)」 (2000)
2000年の来日記念盤として発売されたものですが、録音年代は古く、1950〜60年代のものではないかと思います。1977年の来日時にLPとして日本盤が発売されたものでしょうか。上記のコンピレーション盤「'A
pizza」とも8曲重複しますが、タイトル曲1.のほか、2.「Guapparia(ガッパーリア)」、7.「I'
te vurria vasa(あなたのくちづけを)」、8.「Guaglione(ガリオーネ)」、10.「Scapricciatiello(ふぬけ男)」、11.「Tammurriata
nera(黒い落とし子)」、15.「'A sunnambula(夢遊病の女)」など、彼の若き日の録音によるナポレターナが16曲収録されています。
(キング KICP 742)