バイオグラフィー
1939年7月27日カプリ島生まれ。本名ジュゼッペ・ファイエラ。
故郷のカプリで父がリーダーを務めるバンドで歌手・兼ピアニストとしてデビュー。1958年に最初のレコード「Let
me cry」がヒット、1960〜62年にかけてナポレターナをロック化して次々にヒットを飛ばしました。63年のカンタジーロ優勝以降一時人気が低迷しましたが、70年のナポリ音楽祭で自作曲「Me
chiamme ammore(恋人と呼んで)」で優勝し、人気を回復。サンレモ音楽祭でも1973年「Un
grande amore e niente più(失われた愛を求めて)」、76年「Non lo faccio più(ふたりだけの秘密)」で優勝。1989年にはサンレモ・ワールドツアーのメンバーとして来日し、「Il
mio pianoforte(私のピアノ)」を歌いました。現在もナポレターナや新曲を歌って活動中。
主なヒット曲
「Ghiaccio」(1959)、「Voce 'e notte」、「Malatia」、「Nun e peccato」、「Nessuno al mondo」、「I' te vurria vasa'」(1960)、「Quando」、 「Piscatore 'e Pusilleco」(1961)、「Scetate」、「Let's twist again」、「Luna caprese」、「Peppino」、「St. Tropez Twist」、「Torna piccina mia」(1962)、「Roberta」(1963)、「Se ti senti sola」(1964)、「Malinconia」(1965)、「Operazione sole」(1966)、「Me chiamme ammore」(1970)、、「Amare di meno」(1972)、「Un grande amore e niente più」、「Piano piano dolce dolce 」、「Magari」(1973)、「Champagne」(1974)、「Non lo faccio più」(1976)、「Il sognatore」(1987)、「Evviva Maria」(1990)、「La voce delle stelle」(1993)
アルバム紹介
Peppino Di Capri & Fred Bongusto 「Due ragazzi così live 1996」
ディ・カプリとフレッド・ボングストとの“熟年”コンビによるライヴ盤です。ディ・カプリの4.「Reginella」、7.「Nessuno
al mondo」、12.「Roberta」、15.「Torna a Surriento(帰れソレントへ)」や、ボングストの3.「Tre
settimane da raccontare」、5.「Una rotonda sul mare」、8.「Frida」、17.「Doce
doce」など彼等のファンにとっては懐かしい曲ばかりが並んでいます。
(POLYDOR 531 715-2)
Peppino Di Capri 「Comme è ddoce 'o mare」 (1991)
第36回ユーロヴィジョン・ソング・コンテストにおけるイタリア勢の優勝といえば1964年ジリオーラ・チンクェッティ「Non
ho l'eta(夢みる想い)」、1990年トト・クトゥーニョ「Insieme...1992」です。そして、開催地は前年優勝国となりますが、91年は前年トト・クトゥーニョの曲が優勝したためイタリア開催となりました。その時のイタリア代表出場者がペッピーノ・ディ・カプリで、本作のタイトル曲1.を歌っています。本作は副題が「Napoli
oggi-Napoli ieri(今日のナポリ、昨日のナポリ)」となっており、新作と過去のナポレターナの名曲が半分ずつといった構成。新曲のほうは1.のほかピーノ・ダニエーレ作詞・作曲の3.「Dimane」、クラウディオ・マットーネ作詞・作曲の5.「Aiere」などが、ナポレターナの名曲のほうは、かねてからディ・カプリがレパートリーにしていた6.「Malafemmena(悪い女)」や7.「Maruzzella(マルツェッラ)」、8.「Voce
'e notte(夜の声)」など5曲が新たに録音し直されています。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6438)
Peppino Di Capri 「I ragazzi di ieri」 (1990)
彼の若き日の写真がジャケットに使われているので、昔の盤かと思ったら90年作でした。同年サンレモ入賞曲6.「Evviva
Maria」が収録されています。この曲ではエドゥアルド・デ・クレッシェンツォがスペシャル・ゲストとしてアコーディオンを弾いています。彼の声は若い頃と変わらず、鼻にかかったような独特の声で甘いメロディーを歌い上げるのが特徴。本作は1.「Radio
Napoli」などの自作曲のほかジーノ・パオーリとの共作曲7.「La mia isola」、ジォルジォ・コンテの10.「Una
giornata al mare」などが収録されています。国内盤も発売されて話題となっているダニエーレ・セーペがサックスとして参加しています。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6418)
Peppino Di Capri 「In concerto」(1988)
ライヴ盤で、LPでは2枚組となっていたものが、CDでは1枚にまとめられました。ラストの20.「Nun
chiagnere」のみスタジオ録音の新曲でしたが、これは1988年のサンレモ音楽祭の入賞曲です。ライヴの方は、1987年1月4日ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにおける録音です。まずは当時新曲だった1987年のサンレモ音楽祭入賞曲でトト・クトゥーニョ作曲の1.「Il
sognatore」で幕を開けます。そして、大ヒット曲である2.「Malatia」と続きます。ロンドンにもイタリア系の人がたくさんいるのでしょうか、会場も盛り上がっています。彼はナポレターナを多数レパートリーにしており、本作でも4.「Luna
caprese(カプリの月)」、5.「Reginella(レジネッラ)」、7.「Munasterio 'e Santa
Chiara(サンタ・キァーラ寺院)」、9.「Voce 'e notte(夜の声)」、11.「Santa
Lucia luntana(遥かなるサンタ・ルチア)、17.「I' te vurria vasà(あなたにくちづけを)」などが歌われています。その中でも17.は凝ったアレンジとなっています。その他、ヒット曲の6.「Nessuno
al mondo」、12.「Amare di meno」、16.「Un grande amore e niente più(失われた愛を求めて)」、19.「Champagne(シャンパン)」などヒット曲も多々収録されていますが、特に私が気に入っているのはバラードの14.「Il
musicista」です。
難を言うとすれば数曲フェードアウトしてしまっているものがある点ですが、全体的にはバックにサックスやフルートも入っていてよい感じで、彼の代表曲を網羅した「ベスト・ライヴ」といった趣きで楽しめます。
(Polygram 835611-2)