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Toquinho | トッキーニョ

バイオグラフィー

  1946年サン・パウロ生まれのブラジル人ギタリスト・歌手。本名Antonio Pecci Filho。
 Chico Buarque(シコ・ブアルキ)、Baden Powell(ベーデン・パウエル)ら有名な南米のシンガー・ソングライターの曲を聴いて育ち、1964年パウエルのバンドの世界ツアーに参加。後に詩人であり歌手でもあるVinicius De Moraes(ヴィニシウス・ジ・モラエス)のパートナーとして数々の名曲を生みました。
 1976年にブラジル音楽にも深い理解を示していたオルネッラ・ヴァノーニと出会い、彼女のアルバム「La voglia, la pazzia, l'incoscienza e l'allegria」にヴィニシウスと共に参加。ヴァノーニのアルバムにはその後も参加しているほか、イタリアで伊語によるアルバム製作も行い、多くのイタリア人歌手とも共演しています。1990年にはサンレモ音楽祭にパオラ・トゥルチの外国人パートナーとして参加し、「Nas asas de um violao(Ringrazio Dio)」を歌っています。

アルバム紹介

Toquinho 「Storie di una storia sola」

Toquinho 「Storie di una storia sola」 (1986)

 イタリア制作によるトッキーニョのアルバムは何枚ぐらい出ているのかわかりませんが、本作は彼とイタリアとを結びつけたオルネッラ・ヴァノーニのアルバム「La voglia, la pazzia, l'incoscienza e l'allegria」と同様、プロデューサーにSergio Bardotti(セルジォ・バルドッティ)、そしてイタリアン・ポップス界の名プロデューサーで作曲家でもあるMaurizio Fabrizio(マウリツィオ・ファブリツィオ)をアレンジャー、ディレクターとして迎えるという強力な布陣。トッキーニョのギターを堪能できる3曲のインスト曲のほかはすべてマウリツィオ・ファブリツィオとのコンビで数々の名曲を書いているGuido Morra(グイード・モッラ)作詞のイタリア語詞で歌われています。2.「Le storie di una storia sola」ではファビオ・コンカートが、5.「Gente sospesa」ではロッサーナ・カザーレが、10.「In fondo al mare」ではエドゥアルド・デ・クレッシェンツォが参加と、ゲスト陣も豪華な顔ぶれ。他に1960年代から70年代にかけてサンレモなどに出場していた女性歌手アンナ・イデンティチもヴォーカル(コーラス)として参加しています。なお、5.は1989年に日本盤が発売されたロッサーナ・カザーレのアルバム「Framenti(邦題:ディディン)」にも「漂う人々」の題で収録されました。ポルトガル語訛りのイタリア語の歌はご愛嬌で、全体的にもイタリアン・ポップスというよりブラジル音楽という趣ですが、ドラムスのVittorio Riva(ヴィットリオ・リーヴァ)、サックスのAmedeo Bianchi(アメデオ・ビアンキ)らバックはイタリアのミュージシャンで固められており、ポップな一面ものぞかせる好作品と言えましょう。
(CGD CDS 6024)

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