バイオグラフィー
1951年2月8日ナポリ生まれ。ナポリ大学で文学を専攻しましたが、幼い頃から好きだった音楽の道へと進み、1979年「ラ・チャルダ」でデビュー。81年のサンレモ音楽祭で歌って入賞したフランコ・ミリアッチ作詞・クラウディオ・マットーネ作曲の「Ancora(アンコーラ)」はその後多数の歌手が取り上げ、1980年代を代表するスタンダード・ナンバーとなりました。以後もサンレモには1985年「Via
con me(僕と一緒に)」、1987年「L'odore del mare(海の香り)」、1989年「Come mi
vuoi(望み)」、1991年「E la musica va(そして、音楽は続く)」で出場し入賞しています。
近年は自作曲を中心に歌っていますが、キーの高い声とアコーディオンを弾きながら歌うエスニックな香りの漂うサウンドは独特な趣きがあります。
なお、レンツォ・アルボレ・オーケストラ・イタリアーナのヴォーカルを務め、ソロ・デビューしたEddy
Napoli(エディー・ナポリ)は彼と同姓同名ですが、従兄弟だそうです。
アルバム紹介
Eduardo De Crescenzo 「Essenze Jazz」(2013)
スタジオ録音のアルバムとしては2002年の「La vita è un'altra」以来、その後出たライヴ盤の「Le
mani」(2006)からも7年ぶりとなる待望の作品です。
2012年にシーンに戻ってきた彼が行ったツアーは「Essenze
Jazz」と題し、今イタリア・ポップス界での流行りとなっているジャズとのコラボで、満を持して発売されたのが本作です。1のみ新曲、15はスキャットのみで、他は代表曲をジャズ・アレンジにリメイクしたもので、もちろん彼のアコーディオン演奏も楽しめます。アレンジはピアノを務めるStefano
Sabatini(ステファノ・サバティーニ)とエドゥアルド自身となっています。是非ともライヴ映像でも見てみたいところです。
1.Non
tardare 2.Quando l'amore se ne va 3.Dove c'è il mare 4.Il racconto della
sera 5.Foglia di the 6.Dove 7.Naviganti 8.La vita e un'altra 9.Parole nuove 10.Il
treno 11.Ancora 12.L'odore del mare 13.E la musica va 14.Sara così 15.Dalle
radici 16.La vita è questa vita
(UNIVERSAL 0602537591145)
Eduardo De Crescenzo 「Live」(1995)
デ・クレッシェンツォ初のライヴ・アルバムで、1995年5月3日ナポリのRAI(国営放送)ホールでの録音。1.「Cielo
su cielo」のみスタジオ録音の新曲となっています。エネルギッシュな音から彼のライヴを重要視している様子が聴き取れます。曲は近作からのものが中心で、前作の93年の「Danza
danza」からは2.「Stelle senza patria」、5.「Danza danza」、6.「Cuore」、9.「Che
senso ha」の4曲を歌い、「Cante jondo」からは3.「Cante jondo」、8.「Van
Gogh」、10.「E la musica va」の3曲を歌っています。他の6曲はデビュー以来の主要アルバムからそれぞれ1〜2曲を取り上げ、サンレモ入賞の大ヒット曲12.「Ancora」ももちろん歌っています。ジャケットが写真と異なるものも発売されているのでご注意。
(Giungla Records 74321-30958-2)
Eduardo De Crescenzo 「Cante jondo」 (1991)
1991年のサンレモ音楽祭で本作1.の「E la musica va」でアコーディオンを演奏して歌う姿がすっかりお馴染となったデ・クレッシェンツォ。本作はデ・クレッシェンツォ自身のプロデュースによるもので、全曲フランコ・デル・プレーテの作詞、デ・クレッシェンツォの作曲。デル・プレーテの歌詞はやや難解なもののようです。アレンジは他のポップスとは一線を画する凝ったもので、民族音楽的とでも言いましょうか。それが全曲にわたっているので、似たような曲が多くなってしまった感はあるものの、素晴らしい出来です。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6430)
Eduardo De Crescenzo 「Nudi」 (1987)
「Nudi」に続く通算6枚目のアルバムです。アレンジを担当したジジ・デ・リエンツォと、デ・クレッシェンツォの共同プロデュース。タイトル曲1.はエウジェニオ・ベンナートの作詞。5.「Come
mi vuoi」は89年のサンレモ音楽祭入賞曲で、デ・クレッシェンツォとカンタウトリーチェのマリエッラ・ナーヴァとの共作曲。後にナーヴァ自身やミーナもカヴァーしました。本作からはデ・クレッシェンツォのアコーディオンの音色を聴くことができ、ジジ・デ・リエンツォもキーボード、ギター、ハープを演奏する奮闘ぶりでバックの演奏に彩りが加わっています。ダニエーレ・セーペもサックスで参加。
(DISCHI RICORDI CDMRL 6402)
Eduardo De Crescenzo 「Nudi」(1987)
通算5枚目のアルバムで、4枚目の「Dove c'è mare」まではクラウディオ・マットーネの曲を歌っていましたが、本作からは自作曲を歌うようになりました。作詞はグイード・モッラ。アレンジとプロデュースにマウリツィオ・ファブリツィオを迎え、彼とマッシモ・ヴォルペのキーボードが冴え渡っています。サンレモ入賞曲6.「L'odore
del mare(海の香り)」は素晴らしいバラード・ナンバーで、ベネズエラのリカルド・モンタネールという歌手もカヴァーしました。5.「Foglia
di thè」ではファブリツィオのギター演奏が聴くことができ、アレンジも凝っています。
(DISCHI RICORDI CDOR 9235)
Eduardo De Crescenzo 「Ancora」 (1981)
上述のように彼の最初のヒット曲となったのは81年サンレモで歌った本作のタイトル曲6.「Ancora(アンコーラ)」です。本作は彼のおそらく最初のアルバムで、すべての曲の作曲を手掛けたのはナポリで活躍するプロデューサー兼作曲家のクラウディオ・マットーネ。6.のほかに1.「Al
piano bar di Susy」もヒットしました。まだデ・クレッシェンツォのアコーディオンの音色を聴くことは出来ず、マットーネのポップな曲が中心です。
(DISCHI RICORDI CDOR 8690)