バイオグラフィー
イタリアン・ポップス界において異色のア・カペラ・グループ。メンバーはCiro
Caravano(チーロ・カラヴァーノ・1971年2月15日サレルノ生まれ)、Diego Caravano(ディエゴ・カラヴァーノ・1972年10月26日ナポリ生まれ)、Mimì
Caravano(ミンミ・カラヴァーノ、本名Domenico Pablo Caravano・1969年7月27日スペイン・マドリード生まれ)、Mario
Crescenzo(マリオ・クレッシェンツォ・1969年8月11日サレルノ郊外ノチェーラ・インフェリオーレ生まれ)、Gonzalo
Caravano(ゴンツァーロ・カラヴァーノ・1974年2月16日サレルノ生まれ)、Massimo
De Devitiis(マッシモ・デ・デヴィティス・1973年5月27日サレルノ生まれ)の6名。ディエゴはチーロの弟、ミンミはディエゴ兄弟とは従兄弟同士の関係。ゴンツァーロはミンミの弟にあたり、つまり、従兄弟関係にある兄弟2組とその友人であるマッシモとマリオとで構成されているというわけ。
チーロが90年代初頭頃より、名プロデューサーのクラウディオ・マットーネのもとでキーボード・ピアノ奏者、アレンジャーとして仕事をしていた縁で、デビューしました。グループ名はいつも黒っぽい衣装でステージに立っていたことから、「別に意味はないけれど、黒だった」という意味で付いたとのこと。
95年のサンレモ音楽祭新人の部で「Le ragazze(女の娘たち)」を歌い優勝。それまで、イタリアのポップス界ではア・カペラのグループというものは存在しなかったため、衝撃的なデビューを飾りました。Sonyからデビュー・アルバム「Le ragazze」も新人としては空前の大ヒットを記録。日本盤も発売されました。
翌96年サンレモ音楽祭ビッグの部で「Mai più sola(決してもう一人じゃない)」で5位に入賞。セカンド・アルバム「Strumenti」を発売。
1997年にはクリスマス・ミニ・アルバム「“...and so this is Christmas”」を発売。
その年EMIに移籍し、サード・アルバム「Neri Per Caso」を発売しています。
アルバム紹介
Neri Per Caso 「“...and so this is Christmas”」 (1997)
クリスマス・ミニアルバム。ディズニー映画「ノートルダムの鐘」(伊題Il gobbo
di Notre Dame)の挿入歌1.「Quando(Someday)」を筆頭に、他はクリスマス・ソングが中心で、ジョン・レノンの2.「Happy
Xmas(War is over)」、3.「Oh happy day」、5.「God rest you merry gentlemen」、6.「Jingle
bells」、7.「White Christmas」が入っています。他に1.のア・カペラ・ヴァージョンの9.と、セカンド・アルバムから4.「Appena
un po' a est」の計9曲入りで、限定盤のようでしたが、翌年のクリスマス時期にも出ていたようです。
(EASY RECORDS ITALIANA ESY 2080 2)
Neri Per Caso 「Strumenti」 (1996)
セカンド・アルバム。前作に続きプロデュースはクラウディオ・マットーネ。本作はマットーネの91年の作品でナポリ語で歌われている「'A
città 'e pulecenella(プルチェネッラの町)」を除き、すべてオリジナル作品となっています。上述の通りサンレモ入賞曲の3.「Mai
più sola」が入っています。本作ではア・カペラを損なわない程度に楽器が入りました。8.の「Improvvisando(即興しながら)」はミケーレ・デ・ヴィティスとナポリ出身のカンタウトーレ、ニーノ・ブォノコーレの共作曲。他はすべてマットーネの作詞・作曲、もしくはマットーネとメンバーとの共作曲となっています。イタリア南部の若者たちの心を歌った10.「Perché
di notte(だって夜は)」が私のいち押しナンバーです。また、6.「La segreteria(留守番電話)」の電話の声はシリア。
(日本盤 ソニー ESCA 6429)
Neri Per Caso 「Le ragazze」 (1995)
デビュー・アルバム。上述のようにサンレモ新人の部で優勝した1.「Le ragazze」がタイトル曲となっています。プロデュースはクラウディオ・マットーネ。1.と5.「Sentimento
pentimento」のみがマットーネ作詞・作曲のオリジナル曲で、8.「'A malatia
'e l'america」もマットーネ作の既発表曲。他はエドアルド・ベンナートの2.「Viva
la mamma」、ピーノ・ダニエーレの3.「Je so' pazzo」、6.「Quando」、ジョヴァノッティの4.「Non m'annoio」、ズッケロの7.「Donne」、9.「Con le mani」、パオロ・コンテの10.「Via con me」などをカヴァーしています。
(EASY RECORDS ITALIANA ESY 478565 2・日本盤ソニー ESCA 6408)