バイオグラフィー
もともとミュージシャンとして活動していた6人のメンバーによって結成されたグループで、正式名称はOnde
Radio Ovest。結成時のメンバーはまずリーダー格でギター、コーラスのMario
Manzani(マリオ・マンヅァーニ)、ドラムス・パーカッションのAlfred Golino(アルフレード・ゴリーノ)、ベース、スティック・ベース、コーラスのCesare
Chiodo(チェザーレ・キォード)、ヴォーカルのValerio Zelli(ヴァレリオ・ゼッリ)、ヴォーカル、コーラスのMauro
Mengali(マウロ・メンガーリ)、ヴォーカル、キーボードのBruno Zucchetti(ブルーノ・ズッケッティ)。マンザーニはマルコ・マズィーニのアルバムでギターとして参加していたり、ズッケッティはアレッサンドロ・カニーノのアルバムでアレンジを担当したりしていました。イタリアならではの美しいメロディーを使ったロックで、ヴォーカルもイタリアならではのしゃがれ声が特徴。
結成時期は不明ですが、1993年頃だと思われます。メンバーの年齢はこのとき全員30代でした。1994年「Vivo
per lei(彼女のために生きる)」で夏のディスク・フェスティヴァルに参加して優勝。この曲は後にアンドレア・ボチェッリとジォルジァがデュエットで歌ったのでよく知られています。1995年最初のアルバム「Oro」を発売。1995年11月に開催された翌年のサンレモ音楽祭新人部門出場者選考会「Sanremo
Giovani」で「Vivo per lei」を歌って大好評を得て、1996年サンレモ音楽祭新人の部本選では「Quando
ti senti sola」を歌いました。同年セカンド・アルバム「Con tutto il cuore...」発売。1997年にはサンレモ音楽祭のビッグの部に出場しますが、6人いたメンバーがヴォーカルのゼッリ、メンガーリとギターのマンヅァーニの3人になってしまいました。このときはエンリコ・ルッジェーリ作詞、マンヅァーニ作曲の「Padre
nostro」を歌いました。そして新曲と過去の2枚のアルバムからのセレクションによるサードアルバム「Oro
3」を発売。
「以後の活動については不明ですが、1997年当時在籍していたSugarのHPにも紹介されていないことから解散してしまったのかもしれません。どなたかご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。」
といった記述をしていましたところ、Oroのファンのイタリア人とデンマーク人の女性からメールを頂いて、彼らはメンバーがヴァレリオ・ゼッリとマウロ・メンガーリの2人となってしまいましたが、活動中で、新曲「Genny」を含むベスト盤「The best of ORO」、「Re tour」を発売したとのことです。情報ありがとうございました。(Grazie,Dony e Meline)
アルバム紹介
Oro 「Re tour」 (2000)
メンバーがマウロ・メンガーリとヴァレリオ・ゼッリの2人となってしまったオーロですが、久々に発売された本作は新曲14.「Genny」と、過去のアルバムに収録された3.「Vivo
per...」、4.「Dove ti porta il cuore」、7.「Padre nostro」、12.「Quando
ti senti sola」などの新録からなる14曲入りです。タイトルやジャケから、「ライヴ盤では?」と思ってしまいましたが、全曲スタジオ録音でした。同時に「The
Best Of ORO」というアルバムも出ていますが、本作よりも2曲少ないのみで他は同内容とのことです。ギター、キーボード・ピアノ、ベース、ドラムスの4人のバック・ミュージシャンを起用し、すっきりまとまっていたオリジナルよりもよりエネルギッシュな印象を受けます。今やオリジナル録音の過去のアルバムは入手困難となっており、このような形でオーロの新作が発売されたのは嬉しい限りです。
(Mr Music MRCD 4219)
Oro 「Oro 3」 (1997)
サード・アルバム。といっても新曲はサンレモ入賞曲の1.「Padre nostro」と、3.「Rose
rosse e caffè」、6.「Se una donna parte」、11.「Non riesco a parlare」の4曲のみで、他はヒット曲の2.「Vivo
per lei」、8.「Quando ti senti sola」など1994〜96年の作品からの選曲となっています。上述のように1997年のサンレモ出場時には3人になってしまったオーロですので、このアルバムだけ聴いた方は3人のグループなのだろうと思われたかも知れません。全員ミュージシャン出身なので、完成された大人のロックが味わえます。
(Sugar Universal SGR D 77803)
Oro 「Con tutto il cuore...」 (1996)
セカンド・アルバム。サンレモ新人の部参加曲1.「Quando ti senti sola」を収録。メンバーの共作によるオリジナル作品を中心とする中で、6.「Ho
perduto il tuo amore」のみカヴァー。オリジナルはカナダ出身のシンガー・ソングライターのジノ・ヴァネッリ(名前からしてイタリア系?)の1981年の作品「Put
the weight on my shoulders」です。実はこの曲「Tu sarai la mia voce」という別のイタリア語歌詞でミーナも録音しており、人気の曲なのでしょう。エンディング12.は1.のカラオケ。本当に“(karaoke)”って書いてあります。
(Sugar RTI SGR 4432-2)