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Pilar | ピラール

バイオグラフィー

 1976年2月5日ローマ生まれ。本名Ilaria Patassini。
 Testaccio(テスタッチォ)のポピュラー音楽学校で音楽の勉強を始め、1994年から、ローマ近郊でジャズやポップスの演奏に参加しました。その一方で学術研究も行い、アヴェリーノの音楽院を声楽で優秀な成績にて卒業しました。
 以後も音楽院等でバロック音楽の実験講座に在籍する等、様々な方面から音楽への研究を続けました。
 ソロ歌手としては、ローマにおけるEnsemble Sinenomineの「La Palma」で歌い、Latina(ラティーナ)のフェスティヴァル「Latina Jazz」、ナポリの「Napoli citta d'arte」など数々のイベントに参加、ラジオ等にも出演して活動の場を広げました。
  2002年からはグループ「Ecovanavoce」のソロ・ヴォーカリストとして演奏活動を行い、2004年にはAurelio Gatti(アウレリオ・ガッティ)の演劇「Odisseo Delle Donne e Della Tempesta」に出演し、ナポリのBellini劇場にデビュー、イタリア国内をツアーで回ります。2003・04年には歌手・俳優として、Giancarlo Nanni(ジァンカルロ・ナンニ)指揮、Paolo Vivaldi(パオロ・ヴィヴァルディ)の音楽による演劇「Le Trachinie」に出演し、以後もPaolo Vivaldiとは仕事を共にして、トルコのイスタンブール、アンカラ、日本は東京での公演などに出演しています。
  2004年にトランペット奏者でコンポーザーのFranco Piana(フランコ・ピアーナ)、作詞家のFabio Stassi(ファビオ・スタッスィ)との出会いによるパートナーシップは、彼女の音楽を地中海音楽と伝統的なイタリアのメロディーとを採り入れたものとして、決定づけました。
そして2006年に最初のアルバムとなる「Femminile Singolare」を発売、その後もBungaro(ブンガロ)との共演、共作などで活躍の幅を広げており、2011年には「Sartoria italiana fuori catalo」を発売しています。

アルバム紹介

Pilar 「Sartoria italiana fuori catalogo」

Pilar 「Sartoria italiana fuori catalogo」(2011)

 2006年の前作に続いて発売されたアルバムは、カンタウトーレのBungaro(ブンガロ)の協力を得て、ほとんどの曲が彼との共作となっています。
 足音の効果音による1に続き、いかにもBungaroといった雰囲気のアコースティックな2と続きます。アコースティックギターをバックに叙情たっぷりに歌う3は本作の中でも珠玉の1曲。5はフランス語のフレーズを採り入れた異色の軽快な曲。5は3と同様に、叙情感たっぷりのバラード曲。9はメキシコとアメリカのハーフの女性歌手Lhasa de Sela (ラサ・デ・セーラ)のカヴァーで、スペイン語で歌われています。再びブンガロとの共作曲10、本作でギターやパーカッションを務めるTony Canto(トニー・カント)との共作曲11はいずれもアコーステックでしっとりとした曲。ラストの12は再びブンガロとの共作で、シークレット・トラックを含み11分のと長さとなっています。シークレット・トラックはア・カペラで、声楽もこなす彼女の幅広いテクニックを堪能できます。
 前作に負けず劣らずの好作品で、日本では一部のファンにしか知られていないのが残念ですが、是非日本のライヴ・ハウスでも演奏の機会があればと期待しています。
1.Passi 2.Per tutto l'inverno 3.Ti lascio 4.Labbra 5.Cherchez la femme 6.Meduse 7.Geni e alligatori 8.Casautogrill 9.Con toda palabra 10.Innestami 11.Il bacio prima del caffe 12.Dopo l'amore(up art UPA CD001 8057829280016)


Pilar 「Femminile Singolare 」

Pilar 「Femminile Singolare」(CD+DVD)(2006)

 デビュー・アルバムで、ブック型のジャケットCD+DVDの豪華版。
 1はアコースティックギターをベースに歌い、時折奏でるアコーディオンが哀愁を帯びた曲。2はチェロやアコーディオンをバックに囁くようなヴォーカルから次第にテンポを早めた曲。3はピアノをバックに歌うバラード。4はドラムスに導かれる軽快な曲で、アルバムの中でもアクセントとなっています。5はポルトガル語で切々と歌うバラードですが、カヴァーという訳ではないようです。比較的軽快な6、7に続き、アコースティックギターに導かれるバラード8、イタリア南部の方言で歌われる9、アコースティックギターをバックに歌うバラード10で幕を閉じます。
 DVDは小会場でのライヴとバックステージ映像からなる60分あまりのものです。
 アコースティックなサウンドで、ジャズ、トラッドとジャンルにとらわれない彼女のアルバムは、決してメジャー路線ではないものの、とても完成度が高いです。
1 Gente che resta 2.Cenere e diamanti 3. Quello che conta 4. Piuma 5. Alma fluvial 6. In un punto 7. Scacco matto 8. Amistad 9. Curre a mamma toja 10.Lontana
(01 01646 8032807016467)

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