バイオグラフィー
1954年9月26日フォルリ生まれ。本名カルラ・ビッシ(Carla Bissi)。低い声が特徴の女性歌手。
1971年カストロカーロ新人コンテストで優勝してデビューし、翌72年サンレモ音楽祭に「Il
mio cuore se ne va」で参加し、さらにヴェネツィア音楽祭で新人部門の優勝にあたる「銀のゴンドラ」を受賞。1975年のアルバム「La
mia poca grande eta」でAlice Visconti(アリーチェ・ヴィスコンティ)に改名。1978年のアルバム「Cosa
resta...un fiore」からはAlice(アリーチェ)として今日まで活躍しています。1980年のアルバム「Capo
nord」でフランコ・バッティアートとジュスト・ピオがアレンジを担当し、以後バッティアートの助けを借りて数々のアルバムを残すようになります。1981年のサンレモ音楽祭では「Per
Elisa(エリーザのために)」でサンレモ音楽祭で優勝しアルバム「Alice」を発表、日本でもLPが発売されています。また、同年最初の欧州ツアーを行って成功を収めてました。1982年「Azmit」、1983年「Falsi
allarmi」とアルバムを発表し、83年のアズーロ・フェスティヴァルでは「Falsi
allarmi」で優勝。1984年、バッティアートとデュエットでユーロヴィジョン・ソング・コンテストに参加して歌った「I
treni di Tozeur」が大ヒット。1985年バッティアート作品集の「Gioielli rubati」、86年トニー・レヴィンやフィル・マンザネールらが参加した「Park
Hotel」とアルバムを発表。1987年アルバム「Elisir」を発売。また、1988年に「Park
Hotel」の曲を中心とした日本編集盤CD「草枕(Kusamakura)」が発売されています。 以後「Melodie passagere」(1988)、「Il sole nella pioggia」(1989)、「Mezzogiorno
sulle Alpi」(1992)、「Charade」(1995)、「Alice canta Battiato(バッティアート作品を集めたベスト盤)」(1997)、「Exit」(1998)、「God
is my Dj.」(1998)等のアルバムを発表して活動中。
アルバム紹介
Alice 「Il sole nella pioggia」 (1989)
「雨の中の太陽」の題で国内盤も出ました。こちらもフランチェスコ・メッシーナのプロデュース、アレンジによる作品で、スティーヴ・ジャンセン、リチャード・バルビエリ、ジョン・ハッセル、デーブ・グレゴリー、ピーター・ハミルらの英米系ミュージシャンの協力のもとに製作されています。(私はこの辺はあまり詳しくないので、国内盤のライナーに書いてあったので知っているだけです。)ハミルは彼自身が書いた10.「Now
and forever」でデュエットも披露しています。バッティアート一派のユーリ・カミサースカがほとんどの曲を書いています。アレンジの方は例によってバッティアート派には不評のようです。イタリアのアーティストの国内盤が出るのはうれしいですけど、これは出すほど意義があるアルバムだったのかなー、と考えてしまいます。(アリーチェのファンの方には怒られそうですが。)カンタウトーレのエウジェニオ・フィナルディの作品5.「Le
ragazze di Osaka(大阪の少女たち)」を収録。
(東芝EMI TOCP-6291)
Alice 「Kusamakura(不思議の国のアリーチェ〜草枕〜)」 (1988)
フランチェスコ・メッシーナのプロデュースによるアルバムである1986年の「Park
Hotel」から1.「Viali di solitudine(孤独の街角)」、2.「Il senso dei desideri(流されて)」など6曲と、87年の「Elisir」から4.「Hispavox(ヒスパヴォックス)」、7.「Nuvole(雲)」など3曲、そして1988年世界歌謡祭エントリー曲の新曲5.「Le
scogliere di Dover(秋のダイアローグ)」を加えた日本独自の編集盤。ジャケ写真は「Elisir」と同一なので要注意。私も気付かずに買ってしまったのです。世界歌謡祭の来日記念盤として発売されましたが、昭和天皇の健康状態悪化のため歌謡祭は中止となり、来日も幻に。
(東芝EMI CP32-5680)
Alice 「Park Hotel」 (1986)
前作(「Gioielli rubati」)までと違いフランコ・バッティアートは一切手を貸さず、フランチェスコ・メッシーナのプロデュースによるアルバム。地味なジャケットということと、バッティアートが関わっていないということであまり評判は良くないのですが、私は個人的には彼女の最高作だと思っています。特に1.「Il
senso dei desideri」、2.「Viali di solitudine」が私のお気に入り。本作ではフェアライトなどの電子楽器が効果的に使われています。
(EMI CDP 7466392)
Alice 「Capo nord」 (1980)
タイトルは「北極点」という意味。フランコ・バッティアートとジュスト・ピオのアレンジによる作品で、アリーチェがバッティアートと組んだのはこれが最初です。プロデュースはアンジェロ・カラーラ。巨匠バッティアートの摩訶不思議なアレンジとアリーチェの低い声とが見事に調和している、とされています。私はそんなに好きじゃないんだけど。でも好みは人それぞれですからね。共作を含めほとんどの曲を彼女自身が書いています。
(EMI CDP 7487042)