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Ron | ロン

バイオグラフィー

 1953年8月13日北イタリアのPavia(パヴィア)近郊のDorno(ドルノ)生まれ。ほどなくしてGarlasco(ガルラスコ)に移住し、現在も当地に在住。
 幼い頃から兄のイタロに続いてピアノを勉強し、歌のレッスンを受け始めました。
 1969年、先生のアデレーレ・バルトーリの勧めで16歳でコンテストに応募し、オーディションを経てRCAと契約しました。1970年サンレモ音楽祭にナーダをパートナーとして「Pà diglielo Mà(パパ、ママに言って)」で入賞してデビュー。この頃はまだ、本名のRosalino Cellamare(ロザリーノ・チェラマーレ)でした。翌71年の夏のディスクに「Il gigante e la bambina」で参加。翌1972年のルーチォ・ダッラのサンレモ入賞曲「Piazza Grande(グランデ広場)」を共作し、初のアルバム「Il bosco degli amanti」を発売しました。続いて1974年「Al nostro livello」、1975年「Esperienze」と着実にアルバムを発売しますが、しばらくは成功には至りませんでした。その後俳優として映画にも出演しています。
 1978年に、芸名をガルラスコの学校時代からのニック・ネームであるRonとしてシングル「Occhi verdi mari calmi」を発売。翌79年ルーチォ・ダッラとフランチェスコ・デ・グレゴーリと組んで「Banana Republic」というツアーを行い、好評を得ました。1980年コンセプト・アルバム「Una città per cantare」をダッラとエドアルド・ベンナート、PFMのプロデュースのもとに発表。以後「Al centro della musica」(1981)、「Guarda chi si vede」(1982)、「Tutti a cuori viaggianti」、「Calypso」(1983)、「I grandi successi di Ron(ベスト盤)」(1984)と発売。84年のサンレモに出場したマルコ・アルマーニの「Solo con l'anima mia」のプロデュース・作曲(作詞はルーカ・カルボーニ)を行っています。1985年「Ron」、1986年「È l'Italia che va」とアルバムを発売。1988年「Il mondo avrà una grande anima」で久々にサンレモに出場して入賞し、同名のアルバムを発売。1989年にはビアージォ・アントナッチのデビュー・アルバムをプロデュース。1990年Weaに移籍、ルーチォ・ダッラに「Attenti al lupo」という曲を書き、大ヒットしています。以後「Apri le braccia」(1990)、「Le foglie e il vento」(1992)、「Angelo」(1994)と発売。1996年サンレモ音楽祭ではトスカをパートナーとして「Vorrei incontrari fra cent'anni」で優勝し、同名のアルバムを発売。1997年アルバム「Stelle」を発売。1998年「Un posto nel vento」でサンレモ入賞。99年アルバム「Adesso」を発売。
 2000年にはデビュー30年を記念したツアーを行い、2枚組ベスト・アルバムが発売され、その後も順調に活動を行っています。

アルバム紹介

Ron 「Ma quando dici amore」

Ron 「Ma quando dici amore」 (2006)

 2000年に発売された歌手生活30周年を記念したアルバム「'70|'00」でGianni Morandi(ジァンニ・モランディ)Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)など仲のいいアーティストたちと共演していましたが、本作もサンレモ音楽祭参加曲の1を除き、数多くの豪華大物アーティストとデュエットしているアルバムです。
 サンレモ曲の1もアコースティックで綺麗な曲でしたが、他も多くがアコースティック・アレンジが施されており、ロンと共演アーティストたちの歌が充分に生かされています。
 Calmen Consoli(カルメン・コンソリ)とのデュエット曲2は淡々とした2人のヴォーカルが印象的です。Jovanotti(ジョヴァノッティ)との共演曲3はもっとテンポのある曲かと想像していましたが、アコースティックギターとストリングスによるバックのゆったりとした曲で、これはジョヴァノッティの作品です。6はLucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)とのデュエットで、彼は数多くの曲をロンに書いていますが、今回は自分が作詞した曲ではないのが面白いところ。Claudio Baglioni(クラウディオ・バリオーニ)とのデュエット曲8は1990年代初めのヒット曲で、バリオーニの伸びのあるヴォーカルも目立ちすぎることはなく、ロンとの息もぴったりです。14は10年前にサンレモで優勝し、2000年のアルバムでも再録、そしてさらに今回ももちろんTosca(トスカ)とのデュエットです。
 再録ではありますが、新曲を聴いているかのように楽しめるアルバムとなっています。
 なお、15のRenato Zero(レナート・ゼロ)との共演は、歌ではなく、病気のMario Melazziniという男性をロンとゼロが訪ねていき、会話しているシーンの映像となっています。
1.L'uomo delle stelle  2.Cambio stagione (con Carmen Consoli)  3.Sei volata via (con Jovanotti)  4.La pace (con Raf)  5.Ma quando dici amore (con Elisa)  6.Le ragazze (con Lucio Dalla)  7.Chissà se lo sai (con Nicky Nicolai e Stefano Di Battista)  8.Non abbiam bisogno di parole (con Claudio Baglioni)  9.Anima (con Luca Carboni)  10.Le foglie e il vento (con Samuele Bersani)  11.Catch you (con Anggun)  12.Cosa sara (con Mario Lavezzi)  13.Una città per cantare (con Loredana Berté)  14.Vorrei incontrarti fra cent'anni (con Tosca)  15.Traccia Rom (con Renato Zero)
(SONY BMG 82876806552)


Pino Daniele / Francesco De Gregori / Fiorella Mannoia / Ron 「In tour」

Pino Daniele / Francesco De Gregori / Fiorella Mannoia / Ron 「In tour」(PAL DVD)(2002)

 ピーノ・ダニエーレ、フランチェスコ・デ・グリゴーリ、ロンという3人の大物カンタウトーレと、多くのカンタウトーレ作品を取上げている女性歌手フィオレッラ・マンノイアの4人によるコンサート・ツアー・ライヴを収録したDVD。2002年7月1日のマントヴァを皮切りに9月21日のヴェローナの円形劇場アレーナまで、全27都市でコンサートが行われました。
 本作のプロデュースはロン。4人による共演は本編「Concerto」に収録されており、ロンの代表曲1.「Una città per cantare」がオープニングとなっています。みんなそれぞれ楽器を担当したり、デュエットがあったりと盛り沢山です。演奏はそれぞれのバンドが担当しているようです。「Single sets」はマンノイアの1987年サンレモ入賞曲3.「Quello che le donne non dicono」など、それぞれがソロで歌ったものを収録しています。他に「Back stage」として、今回のツアーのために4人が初めて集まった時の模様や、リハーサル風景、ビアージォ・アントナッチやリガブーエ、映画監督のナンニ・モレッティなどの友人達が激励に来た様子などが収められています。
 これだけのビッグな顔ぶれによるコンサートを映像で見られる機会は滅多になく、しかも演奏されている曲がお馴染みの曲ばかりで、楽しめる内容となっています。幅広い年齢層に支持されたこのコンサート、ほとんどが野外で行われたようで、ツアーで回った色々な会場の映像が目まぐるしく変わり、それはそれで楽しいのですが、ひとつの会場でやったものをじっくりと見たいという意見もあるかもしれません。
 なお、同時に2枚組のCDも発売されており、収録曲はCDの方が少し多めとなっているようです。
Concerto
1.Una città per cantare 2.I treni a vapore 3.Alice 4.Quando 5.Non sono una cantautore 6.Generale 7.. Napule é 8.Non abbiam bisogno di parole 9.La storia 10.Chissa se lo sai 11.Oh che sara 12.Niente da capire 13.Piazza grande 14.Il tempo non torna più 15.Vorrei incontrarti fra cent'anni 16.Viva l'italia 17.Bufalo bill 18.Je so' pazzo
Single sets
1.Un cielo senza nuvole 2.Joe temerario 3.Quello che le donne non dicono 4.La donna cannone
(BMG 74321985049)


Ron 「Vorrei incontrari fra cent'anni」

Ron 「Vorrei incontrari fra cent'anni」 (1996)

 上述のようにロンは1996年のサンレモ音楽祭でトスカをパートナーとしてタイトル曲1.を歌い、優勝しました。本作はそれまでの歌手生活の集大成とも言えるアルバムで、7.「Il gigante e la bambina」、13.「Una città per cantare」、16.「Non abbiam bisogno di parole」など過去のヒット曲の新録音ヴァージョンや、ルーチォ・ダッラに提供した8.「Attenti al lupo」、15.「Piazza grande」をロン自身が歌ったものなど計16曲が収録されており、まだ彼のアルバムを聴いたことのない方にお勧めできるアルバムです。トスカは1.のほか4.「Per questa notte che cade già」、5.「Anima」の3曲に参加しました。
1.Vorrei incontrarti fra cent'anni (con Tosca)  2.Musica / Al centro della musica  3.Non abbiam bisogno di parole  4.Per questa notte che cade giu (con Tosca)  5.Anima (con Tosca)  6.Joe Temerario  7.Il gigante e la bambina  8.Attenti al lupo  9.Ferite e lacrime (You)  10.Io ti cerchero  11.Cosa sarà  12.Un momento anche per te  13.Una città per cantare  14.Il sole e la luna  15.Piazza grande  16.Non abbiam bisogno di parole (Nuova versione)
(Wea 0630-13919-2)


Ron 「Le foglie e il vento」

Ron 「Le foglie e il vento」 (1992)

 永く活動していてイタリアでは人気カンタウトーレのひとりに数えられているのに、日本での知名度は今ひとつのロン。曲も割と地味なので仕方ないかもしれませんが。本作も「葉と風」というタイトルを描いたジャケット・デザインがあまりに地味なので、日本ではあまり買った方は多くないと思います。1.「Non abbiam bisogno di parole」が少しヒットしました。全曲彼自身の作曲で、3.「Cosa sarà」はルーチォ・ダッラ作詞、 10.「Gerico」はジーノ・パオーリの作詞、他はロンの作詞によるものです。ロンの声はジァンニ・モランディにも似ていて、ちょっとかすれた感じがシブく、ルーチォ・ダッラとも仲良しなのでよく曲を共作しています。
1.Non abbiam bisogno di parole  2.Sabato animale   3.Cosa sarà   4.Gabbiano   5.Dentro ai tuoi occhi o mai più  6.Le foglie e il vento   7.Paura   8.A un passo da miei sogni  9.Mi hai preso il cuore   10.Gerico  (Wea 4509-90512-2)

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