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Camillo Pace | カミッロ・パーチェ

バイオグラフィー

 1978年5月7日Taranto(ターラント)生まれ。ウッドベース奏者として、また、カンタウトーレとして活動しています。
 Monopoli(モノポリ)のConservatorio di Monopoli Nino Rota(ニーノ・ロータ音楽院)でMichele Cellaro(ミケーレ・チェラーノ)の指導の下にコントラバス(ウッドベース)課程を修了、他のミュージシャンとのコンサートやコラボレーションを行っています。さらにBari(バーリ)のConservatorio di Musica Niccolò Piccinni(ニッコロ・ピッチンニ音楽院)でジャズを専門とする音楽の分野で大学院卒業レベルを修了。バロックからクラシック、そしてとりわけ民族音楽の研究に努め、アフリカ諸国、ケニア、南アフリカなどの研究を行い、「アフリカの伝統音楽」論文をまとめ上げるという貴重な成果を残しています。そしてFranco Petracchi(フランコ・ペトラッキ)ら巨匠のもとで様々な古典的なオーケストラと共演してきました。
 2007年には最初のアルバム「Introspezione d'un viaggio」を発売。
 2014年7月Francesco Lomagistro & Berardi Jazz Connection Quintetのメンバーとしてブルガリ創業130周年記念のプロジェクト「BVLGARI ITALIAN JAZZ LOUNGE」コンサートに出演するため来日。 
 カンタウトーレとしても2013年の「Autoritratto」、2017年の「Credo nei racconti」とアルバムを発表しており、今後の活躍が期待されます。
 なお、カミッロ・パーチェの日本語サイトには、ウェブ・マスターのmarilynさんによる各曲の日本語対訳なども掲載されていますので、併せてご覧ください。

アルバム紹介

Camillo Pace 「Credo nei racconti」

Camillo Pace 「Credo nei racconti」 (2017)

 イタリア南部プーリア州を拠点に活動するウッドベース奏者、カンタウトーレのカミッロ・パーチェのカンタウトーレとしてのセカンド・アルバムで、地元プーリアのミュージシャンの面々が結集して制作されています。前作と同様、全てカミッロの作詞・作曲で、彼はウッドベースの他にアコースティックギター、クラシックギター、パーカッションなども演奏しています。
 オープニングの1はテンポのある曲調ながらもマンドリンの音色が南イタリアらしさを感じさせ、「全ては日曜日の朝に起こる」というタイトルの情景が目に浮かびます。2はシングル曲として2014年に既にビデオ・クリップが制作されている曲で、カミッロの地元 Martina Franca(マルティーナ・フランカ)のカルチャー センターである「Fondazione Paolo Grassi」の子どもたちのコーラスも加わる明るい曲です。3も2013年にシングルとして発表されており、ビデオ・クリップが制作されています。車椅子に座る男性の立場に立って歌われていますが、これはこの曲にゲストとして参加しているトランペッターのVincenzo Deluci(ヴィンチェンツォ・デルーチ)に捧げたもので、彼は事故により車椅子生活を余儀なくされています。彼のトランペットのメロディーが叙情的な曲です。4はインスト曲で、ブラジルの民族楽器であるビリンバウが印象的です。5と6も2015年にビデオ・クリップが制作されていますが、特に6はサビ部分のエレポップのようなアレンジが本作の中でも異色で、他にも本作では8でエレポップの要素が採り入れられています。7は腫瘍で入院している古くからの友人に贈った曲とのことで、生きる希望を歌ったものですが、その後友人は亡くなってしまったそうで、切なさを感じさせるバラード曲です。ラストの9はカミッロはヴォーカルに徹しており、チェロの音色が幻想的な雰囲気を醸し出している曲です。
 なお、収録曲数が9曲なのは、彼が「9」という数字が好きで、アルバムとしても理想的な数だと考えたからだとか。
  2013年の前作の流れを受け継ぎながらも、より曲調に幅がある作品で、アコースティックなサウンドが好み(私もです)の方にオススメです。
1.Tutto accade la domenica mattina 2.Adesso 3.Si addormenta e vola (feat. Vincenzo Deluci) 4.Don Chisciotte torna a casa 5.Sarà ancora 6. Io sono vivo 7.Un nome 8.Domani ci sarà il sole (feat. Alberto Dati) 9.Nel silenzio
(Digressione Music DCTT70 80547261740702)


Camillo Pace 「Autoritratto」

Camillo Pace 「Autoritratto」 (2013)

 カンタウーレとして最初のアルバムで、すべての曲が彼の手のよるものです。
 1はウェスタン調の曲で、この曲を含め本作では数曲に女性ヴォーカルのAngela Esmerarla Pepe(アンジェラ・ウスメラルダ・ペペ)が参加しています。2はトランペットも導入された軽快な作品で、ビデオ・クリップも制作されています。3は軽快なインスト曲となっています。4はWakeup Gospel Projetのコーラスが入り、明るくポップな曲です。5は畳み掛けるように歌うフォーク・ロック調の曲で、シングルカットされています。6もフォーク調ですが、こちらはバラード曲となっています。7は彼のウッドベース・ソロの短いインスト曲です。8はテノール・サックスの演奏も印象的な曲です。10は女性歌手Sarita Schena(サリータ・スケーナ)のヴォーカルも印象的です。ラストの11はウッドベース、ピアノ、ギター、ドラムスの4人編成のインストで締めくくられています。
 全体的にアコースティックで、歌いあげるような曲はないものの、、彼のウッドベースの演奏としゃがれ声のヴォーカルを楽しめる作品となっています。
1.Una storia che faccia rumore 2.Il viaggio 3.Passeggiando con il sole 4.Maisha 5.E allora balla 6.Il guardiano dei sogni 7.Al tramonto 8.Ho scritto una lettera 9.Piangi e ridi 10.Ad un soffio dal vento 11.Pensieri tra le corde  (Digressione Music DCTT32)

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